元日の第一出動 その2

2016年01月10日 18:59

元日の第一出動 その2

連載の再開です。


心臓超音波検査をした。
心臓の動きはいい。
「気管挿管はヘリコプターの中でおこないます。
直ぐにヘリコプターに収容します」
工藤ナースは、家族に説明している。

患者は、ドクターヘリで八戸市立市民病院救命救急センターへ向かう。
9時3分八戸市立市民病院救命救急センターに着陸した。

心臓は良くもった。
ERでさまざまな治療が始められた。
そして
救命救急センターで集中治療を継続した。

心臓停止の原因検索にために、
CT検査が行われた。
CT室へ向く時、
ドクターカー出動要請が入った。
9時21分。
9時23分八戸ドクターカーは、和田医師と高橋研修医を乗せて、
出動した。
ドクタカー2号がサイレンを鳴らして、
赤色灯を点灯して
遠ざかるのが見えた。

八戸市内の住宅で、
高齢者が餅を喉に詰まらせた。
心肺停止状態。

正月に必ず数人が
餅で窒息する。
東京では、元日に1名の高齢者が餅窒息で死亡した。
そして、ここ八戸でも同じく。

9時31分ドクターカーは現場到着した。
患者宅前に停車していた救急車の後ろハッチドアは開いていた。
患者収容される直前の証拠だ。
和田医師には、移動するストレッチャ―でCPR中の患者が見えた。
でもひるまない。
餅窒息から救命できた患者が過去にいたから。

救急車内収容後に、
胸の上りを視診した。
「大丈夫だ」
救急隊が現場で餅を取り出したのだ。

気管挿管する準備をする。
胸骨圧迫は、自動胸骨圧迫器ルーカスに変えた。
「隊長、出発おねがいします」
和田医師は、呼吸音の聴診後に出発を進言した。

ルーカスで揺れる体、
カーブで揺れる車内。

和田医師はそんな中でも、一発で気管挿管を成功させた。
9時44分八戸ER到着。
ERでは、元日勤務の医師看護師総勢12名が
待ち構えた。

だが、救命はできなかった。

(続く)


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