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キーワード方式の利用は診療開始までの時間を短縮した

2015年12月26日 18:36

第22回日本航空医療学会で濱舘医師が発表しました。

【タイトル】 
キーワード方式は病院前診療の質を低下させるか?

【発表者】
濱舘香葉

【背景】
八戸ドクターヘリは2009年3月に運行を開始し、
診療開始までの時間短縮のため
2012年12月よりキーワード方式を開始した。
キーワードとは、予め消防と取決めしてある言葉。
この言葉が119通報内容にあれば、
重症の可能性大として
救急隊が現場到着前にドクターヘリを出動させる。

【目的】
キーワード方式開始前後での出動事例を比較し、
キーワード方式の有用性と問題点を明らかにする。

【対象・方法】
2009年4月から2015年3月までの当院が基地病院だった64ヶ月間のうち、
八戸ドクターヘリが第1出動要請先である地域での
現場出動1204例について、キーワード方式開始前後で比較した。

【結果】
キーワード開始前後での現場出動事例は、
キーワード方式開始前(KW前)538例、
キーワード方式開始後(KW後)666例。
救急隊現場到着前のドクターヘリ要請(覚知要請と定義)は
キーワード方式前223例(41.4%)、
キーワード方式後377例(56.6%)で有意に増加し、
119覚知からドクターヘリ要請までの時間も
キーワード方式前13.7分から
キーワード方式後10.0分と短縮し(P<0.001)、
診療開始までの時間も31.8分から29.9分へと短縮した(P<0.01)。
外傷症例では、
覚知要請の割合は36%から60%へ増加していた(P<0.001)が、
オーバートリアージ、外傷受傷度、バイタルサイン、TRISS 予測救命率は
キーワード方式開始前後で差はなかった。
脳血管障害、心血管系疾患においても覚知要請の割合は
それぞれ28%から41%、
24%から50%へと増加し、
覚知からドクターヘリ要請までの時間も
脳血管障害で15.1分から12.1分、
心血管系疾患で17.4分から10.2分へと短縮していた。

【考察】
キーワード方式により、
外傷、内因性疾患それぞれにおいてドクターヘリの覚知要請は増加し
消防覚知からドクターヘリ要請までの時間も短縮された。
しかし、外傷症例においてはキーワード方式前後での
重症度に差はなく、
病院前外傷診療の質の低下は認められなかった。

【結語】
キーワード方式の利用は診療開始までの時間を短縮したが、
外傷診療のオーバートリアージの増加にはつながらなかった。
今後も続ける。


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