病院前救急診療を担う救急医に周生期医療救急講座は必要か

2015年12月25日 18:25

第1回ALSO-Japan Annual Meetingが
2015年9月26日に金沢で開催された。
主催
周生期医療支援機構
テーマは
「ALSOをいかに産科臨床に生かすか?」
ALSOとは、周生期医療救急講座。

発表者は
八戸から2名
吉村有矢医師と東晶子医師
吉村医師はこの学会で
優勝演題賞をもらった。
吉村ALSO優秀賞 (355x500)
頂いた賞状

演題名
病院前救急診療を担う救急医にBLSOは必要か

演者名:吉村 有矢

八戸ドクターヘリは2009年に運航を開始した。
運航1年目に飛行中のヘリ内分娩を経験し、
当院で周生期医療専門医養成講座ALSO、BLSOを開催するようになった。
現在、ドクターカー・ドクターヘリに搭乗する救急医は全員が
BLSOを受講済である。

【目的】
八戸ドクターカーによる病院前周産期救急診療の現状の調査と、
救急医のBLSO受講が妥当かを検証する。

【対象と方法】
2010年4月1日〜2015年3月31日までの
八戸ドクターカーの出動記録と診療録の後方視的検討

【結果】
対象期間の八戸ドクターカーの出動要請は5195件で、
全出動は4390件、周産期救急は23件。
現場救急は15件。
そのうち、病院前分娩開始は13例。
流産2例。
病院前胎児娩出が10例。
娩出場所は自宅内7例、
乗用車内3例。
救急隊到着後の自宅内娩出は1例。
救急車内娩出はなかった。
全例で救急隊が新生児を保温、臍帯結紮後に
救急医が接触し、臍帯切断した。
母体に合併症なし。
新生児は1例で鼻腔・口腔内吸引を要した。
一方、施設間搬送は8件(母体5例、新生児3例)。
母体は、
弛緩出血、
羊水塞栓症、
子宮破裂、
子宮内反症、
異所性妊娠が各1例。
全例が出血性ショック。
新生児はすべて新生児仮死で、
小児科医が全例ドクターカーに同乗し、
1例で気管挿管した。

【考察】
八戸ドクターカーの全出動のうち、
周産期救急は0.5%と少ない。
病院前胎児娩出の10%が救急隊到着後であった。
救急医や救急隊による分娩介助は稀だが、
訓練は必要である。
今回、検討した症例において病院前で
必要となる周産期救急の知識、技術は、
BLSOでほぼ網羅されていた。
また、BLSOを受講した救急医による病院前診療は適切であった。

【結語】
病院前周産期救急は少ないが、
救急医がBLSOを受講する意義は大きい。

次回の八戸での周生期医療専門医養成講座BLSOは
2016年3月5,6日
あっという間に、受講希望者申し込みがいっぱいになった。


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://doctorheli.blog97.fc2.com/tb.php/2260-00b9db08
    この記事へのトラックバック