富山県ドクターヘリが低体温症救命 その2

2015年12月03日 18:51

8:50 離陸。
「70代男性、自動車が20-30m下の谷底に転落しているところを
住民により発見され通報あり」と第一報が入り、
「これは相当の重症、もしかしたらすでに亡くなっているかも、、、」
と最悪の状況も想定。
しかし間もなく、
「患者は自力歩行可能、意識清明です。
これより救出に当たります」と連絡あり。
スタッフの間でも「そうか、軽症そうだな。よかったね。」
とある種の油断が生じてしまいました。

8:59 ランデブーポイント到着。
当院から現場までは車で最低1時間はかかる山奥でも、
ヘリだと10分も要しません。
すでに救急車が待機しており、
そこで我々を乗せ、
現場へと向かいました。

9:06 現場到着。
ほぼ同時に、救助された患者が担架に乗せられた状態で接触。
GCS E4V5M6、
医師「どこか痛いところある?」、
患者「いや、どこも痛くない」とやり取り。
しかしどうも反応が鈍い。
左眉部に裂創あるが自然止血、
血餅付着、周辺部には淡い皮下出血あるのみ。
救急隊からの第一報「患者は意識清明」との内容は、
わからなくもない、が、
やはり違和感は拭えません。
声掛けをしながら体に触れると、非常に冷たい!
(衣服は明らかに濡れている、
現場は山奥で同日は放射冷却もあり
朝から気温は一桁前半で非常に寒かった)、
これはスイッチを切り替えねばならない、
と考え、
救急隊に「すぐにストレッチャーにうつし、
救急車に収容してください」と伝え、
迅速に行動しました。

車内収容後、すぐに脱衣保温、
現場から開始されていた酸素をつなぎかえ、
フライトドクターはABCDEとPrimary Surveyを進め、
看護師はルートを確保しつつ血糖測定:64mg/dL!
体温:31.4℃!
すぐに血糖補正を実施。
補液全開として安定化を図ります。
これらの活動はすべて移動中の救急車内で実施しました。
9:31 現地離陸。
9:40 当院着陸。
(続く)


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