下大静脈損傷 その2

2015年11月17日 18:09

シシハナ救急救命士は
ダイレクトブルーにドクターカー要請をお願いしただけではなかった。
「出血性ショックです。
ショックに対する輸液の許可をください」

シシハナ救急救命士は
真っ白くなった男性の腕に
ゴムを巻いた。
血管が浮き出た。
よし、刺せるぞ。
静脈留置針を刺す。
21時8分 成功だ。
乳酸リンゲルを全速力で輸液開始した。
針を刺す間、速度を落とす。
針を固定していから、緊急走行で速度を上げた。
輸液開始5分で
まだ血圧は65だった。

救急車は高速道路に入った。
高速道路では、
救急車とドクターカーのドッキングができない。
互いにすれ違ってしまう。
ドクターカーは、救急車が高速道路を南下して来ることを知った。
救急車から携帯電話で情報が届いていたのだ。
ドクターカーは高速道路の出口で停車して待機した。

21時45分救急車とドクターカーがドッキングした。
血圧は80まで戻っていた。
まだ低い。
脈拍は110で早い。
意識は昏睡状態から
呼びかけで開眼するまで戻っていた。
シシハナ救急救命士の輸液の効果だ。

長谷川医師は救急車に乗り移った。
冷や汗あり、
腹部の超音波で、
腹腔内出血あり。
胸の超音波で、
右血胸あり。
直ぐに、ダイレクトブルーに電話をする。
「出血性ショック、
腹腔内出血あり、
緊急輸血必要です。
O型輸血用意して下さい。
手術が必要だと思います」
電話を受けた木村医師は動く。
輸血を扱うのは検査室。
「出血性ショックがドクターカーで運ばれてきます。
O型血4単位ください」
野田頭副所長の携帯電話を鳴らす。
「ドクターカーが腹部刺創に出ています。
ショックです。
長谷川先生の話では、おそらく手術と。
直ぐ来てください。
ドクターカーが病院着まであと20分くらい。
(続く)


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