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名探偵の意識障害の推理

2015年11月08日 18:07

日本救急医学会で発表したものです
発表者は
藤田 健亮医師
///////
内容は

60才 女性
5月初旬
患者の家族が仕事から帰宅したところ、
患者は食事中であった
食器を倒したり、空中にある何かを掴もうとしていた
会話もかみ合わず、
救急要請

一緒に食事をしていた夫は泥酔して居間に寝ていた

【既往歴】脂質異常症、緑内障

ER入室時
血圧147/107 ,脈拍 138 ,
呼吸数20 ,
体温37.3
意識 開眼しているが見当識障害あり
瞳孔は左右 5mmで散大

眼瞼結膜蒼白なし、
皮膚湿潤なし、
麻痺なし、
構音障害あり
血糖123で正常
アシドーシスなし
頭部CTとMRIは異常なし
腰椎穿刺をした。
髄液は透明髄液で異常ない
薬物尿迅速検査で陰性

瞳孔散大、頻脈、意識障害の症状を中毒による症状と考えた
家族に自宅へ薬物の包装が捨てられていないか、
薬瓶の空などの捜索を依頼した
//////////
20分後、帰宅した家族から当院に電話がかかってきた
「泥酔して寝ていた父の様子がおかしい」

父も男性救急搬送された

症例 67才男性
一昨日に知人から「わらびをもらった」と言ってたのを息子が聞いていた
夕食に、山菜の天ぷらやコロッケ、
自家製のどぶろくを摂り、
居間で寝ていた
息子が患者を起こすために呼びかけても反応なく救急要請

【既往歴】糖尿病
【内服薬】ボグリボース、イミダプリル塩酸塩

血圧147/107 , 脈拍 138 ,呼吸数20 ,
体温37.3
意識開眼しているが発語なしGCS4/1/6
瞳孔両側 5mmで散大

眼瞼結膜蒼白なし、
麻痺なし、構音障害あり

アシドーシスなし
血糖123正常
頭部CTとMRIは異常なし
腰椎穿刺した。
髄液は透明髄液で異常なし
薬物尿迅速検査で陰性
///////////
ここで二人の病歴共通点を挙げる
• 瞳孔散大、意識障害、頻脈、発汗なし
• 数日前に、「知人からわらびをもらった」
• 夕食で、山菜の天ぷら(ふきのとう や わらび)、自家製のどぶろく
• 今回の症状をきたす、中毒物質を推理した。
ふきのとう・わらびと似た山菜で、
ハシリドコロを一番に疑う。
//////////

胃洗浄をおこなった。
活性炭を胃内に投与した。

翌日
会話可能となった。
ふらつきは続いた。
瞳孔は散大のまま

保健所に調査を依頼した。
自宅にあった、料理の食べ残しを調べた。
ごぼうが混じっていた。
保健所の推理では
ごぼうに疑いがかかった。

男性に聞き直す。
すると
「去年のごぼう畑から
取り残したごぼうが出てきたから
ごぼうも天ぷらにして食べた」

二日後
• ふらつき残存 
• 瞳孔サイズは戻った。
ごぼうと誤食する中毒物質を調べた。

「チョウセンアサガオ」が推理上に上がってきた

台所にあった、ゴボウを保健所が調べた
チョウセンアサガオ 藤田 (500x281)

チョウセンアサガオとごぼうを間違えて
食べてしまったらしい。

さらに男性に聴く
患者は昨年、
自宅の庭に ごぼう を植えていた
「昨年、ごぼうの畑内に
     青色の花が咲いていたことがあった」

3日目
ふらつき消失
・・・・・・・・
チョウセンアサガオの根はごぼうよりもろい
苦みがある。

男性が言う
「苦みがてんぷらに合うんだ」

• 抗コリン症状を呈する食中毒患者では、チョウセンアサガオ中毒も鑑別に挙げる必要がある
• ごぼうと間違うことで誤食されることが多く、一緒に入ってる他の食材(キノコなど)による中毒と鑑別が難しいことがある
• チョウセンアサガオによる食中毒は、年間数件発生している


結論
• ごぼうと誤認したことによる、チョウセンアサガオ中毒の一例を経験した
• 原因物質を同定するのが困難であった
• 同症状を呈する患者の受診をきっかけに、原因食物にたどり着いた


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