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現場開胸その2

2015年09月18日 18:31

救急隊が2名で懸命にCPRを行っている。
患者さんを確認。
私とはそう年が違わないと思われた。

「助けなきゃ、助けて見せる」

救急隊よりも若い患者さん。
救急隊も必死でCPRを行っている。
心電図波形は心静止、瞳孔も散大と救急隊が説明してくれた。

焦って周りが見えなくならないように現場統制する。
少しの時間、周囲を見渡す。
「大丈夫ですよ、
これからメスを使いますから気を付けてくださいね。
一旦胸骨圧迫をやめてもらうときもありますが、
ちゃんと合図を出しますので、大丈夫ですよ」
これから行うさまざまな処置に
驚かないようにやさしく救急隊に声をかけ、
頚部、胸にイソジンをかけた。
同時進行で淡路Nsは
20Gでルートを血管確保。
あうんの呼吸だった。
まずは気道確保。
顔面外傷で、血まみれだ。
気管挿管は失敗するかもしれない。

胸骨圧迫の救急隊の手の安全を確保して、
輪状甲状靭帯切開を行う。
用意したのは6mm気管チューブ。
チューブの中には心棒を入れておく。
喉仏の3cm位尾側の皮膚にメスを入れた。
一気に気管の中に至る。
その切れ込みに用意した6mm気管チューブを進める。
6mmチューブが深くならないように
チューブを進めてから、すぐに
皮膚の高さで、チューブを指で持つ。
バッグバルブを繋げた。
バッグを押すと、胸が上がる。
人工呼吸は成功だ。
続けている、胸骨圧迫の担当する人を変える。
連続2分すると、
疲れて、胸骨圧迫の質が落ちるから。
胸郭は、一回一回の胸骨圧迫で
不自然に変形する。
あばら骨が、多数折れている証拠だ。
そして、その下の肺がつぶれていることが多い。
すでに、肺破裂が起きているだろう。
わずかに、空いている肺にケガの穴がある状態で、
新たに人工呼吸を開始したために、
肺の穴から、空気がたくさん漏れて、
大きな気胸になるはずだ。
胸郭に肺の穴から空気がたくさん漏れて、
心臓を圧迫する状態、
血圧が低下し、酸素化が低下する。
緊張性気胸という。
充分その可能性が高い。
両側胸腔開放を行った。
胸郭の安全な場所に、先がとがったメスを突き刺す。
すると、気胸から、余分な空気が排出される。
空気が出るときに、その音が伝わる。
重症胸部外傷を考えて、
両側胸郭にメスを入れることを、
クラッシュプロトコールと言う。
(続く)


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