8回要請7回出動 その2

2015年09月07日 18:51

第2フライト

先ほどの心筋梗塞患者がPCIをしているまっただ中の、
9:59 119通報が十和田消防に入る
救急車が出動する。
同時に
10:03 十和田消防からのヘリ要請。
要請内容は自動車単独事故。
10:09離陸。
飛行中の無線
「自動車単独事故。
標識に60km/hrぶつかった。
BP150/70 PR83 SPO2 98%であるが冷汗あり、
JCSⅡ-10程度の意識障害あり。」
意識障害があるため頭部外傷?などと考えを巡らせつつ
10:19ヘリはランデブーポイントの十和田市営陸上競技場着陸。
患者に接触しフライトNs工藤に点滴をとってもらいながら
外傷初期診療を開始。
A:会話しないが閉塞の所見なし。
B:RR20 SPO2 100%(O2 6L)  左右差なく 皮下気種なし 
C:全身に冷汗ありしかし橈骨動脈は充実 
HR113 BP172/63 FAST陰性 
D:GCSE1V2M5 四肢麻痺なし 
瞳孔3+/3+ E:BT35.0℃。 
E:体表には出血、打撲痕なし。

冷汗と意識障害。
冷汗はショックの所見。
血圧は問題ないが頻脈はある。
しかし出血を強く示唆する所見はないが
どこかに見落としがあるのだろうか?
意識障害もきたしている?

救急隊長に事故の詳細を聴取。
すると「この患者さんは一度、他の車に衝突し。
衝突したドライバーと話しているときに
急に自分の自転車に戻り車を発進させました。
そのまま、歩道に乗り上げ標識に衝突していたところを発見されました。
フロント部は大破でした。」

 奇妙な行動の後に事故を起こしている。
意識障害が先行した事故なのかもしれない。
ノーブレーキ事故の鑑別の
6S(sake,sleep,syncope,seizure,stroke,sugar,suicide)が頭に浮かびだした。
患者のバックを見るとお薬手帳があり、
インスリンの処方歴があった。
インスリンによる低血糖が先行した交通事故?
それなら冷汗、頻脈、意識障害も説明がつく。
ちょうどそのころ工藤Nsが点滴を取り終え報告
「血糖33mg/dlです。」
やはり低血糖先行の交通事故のようだ。
50%糖液40ml注射。
数分後意識改善し開眼、手を握るGCSE4V4M6になった。

10:33現地離陸し
10:41八戸市立市民病院ヘリポート到着。
ERでは引き続き、
さらなる外傷の精査、
低血糖の原因検索の診察が行われていた。

(続く)


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