2人の脳梗塞治療 スピードが命 その6

2015年07月22日 18:20

吉村医師と上舘看護師は、
走ってヘリへ駆け込んだ。
「エンジンスタートします」
緒方機長もスタンバイしていた。
ヘリのローターが音を立てて回り始める。
現場滞在時間はわずか6分だった。
速い。
離陸したドクターヘリは、八戸市民病院を一直線に目指す。
時速200kmのヘリコプターの速度に負けないくらい、
救急医の早い判断と処置が、
ドクターヘリの武器だ。

ヘリ内では、吉村医師と上舘看護師が休むまもなく治療を開始する。
心電図モニター装着、酸素投与、バイタルサインを測定する。
静脈路確保して採血し、検査用の試験管にとっておく。
病院前で採血しておくことで、
病院に着いて検査結果が出るまでの
時間が10分は早くなる。
このたった10分が重症患者には貴重だ。
突然の嘔吐に備えて制吐剤を投与する。
離陸して5分で処置は完了した。
あと10分で病院に到着だ。

「八戸ドクターヘリ1から八戸市民病院どうぞ」
「八戸市民病院です。八戸ドクターヘリ1どうぞ」
「患者情報です」
上舘看護師はそれまで書いていたドクターヘリカルテをサーと、
吉村医師に手渡した。
吉村医師が続ける。
「60台女性。約45分前発症の脳卒中。
低血糖なし。
血圧140、
心拍数は不整、
意識GCS E2V2M5、
左共同偏視、
右上下肢麻痺、
失語、
意識障害、
顔面麻痺。
左中大脳動脈領域の脳梗塞を疑います。
ルート確保、採血済みです。
ダイレクトCT、
rt-PA投与、
MRI、
血管撮影の準備、
脳神経外科コールしてください。」

「了解です」無線の向こうから、貫和亮太医師の声がした。
(続く)


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://doctorheli.blog97.fc2.com/tb.php/2120-75a87f53
    この記事へのトラックバック