2人の脳梗塞治療 スピードが命 その5

2015年07月19日 18:19

「もしもし?」電波が不安定だ。
ダイレクトブルーの電話を取ったのは、貫和医師だった。
しかし、電話の奥の吉村医師の声は
途切れ途切れで、ちゃんと聞き取れなかった。
ドクターヘリが着陸した山奥の地域は
携帯電波の電波すら悪い地域だ。
「もしもし、電波が悪くて、聞き取れません」
貫和亮太医師は大きな声になった。
「rt-PA準備・・・血栓除去もありえる。ダイレクト・・・CT!
脳神経・・・の大沢先生もコ・・・。詳細・・・無線で!」
吉村医師は電話を短く切った。長話をしている時間がなかった。
貫和医師は、短い情報だったが
吉村医師の裏の意図を感じとっていた。
「よし。ドクターヘリは脳梗塞らしい。
ERに人を集めておこう。
急いでrt-PAと血栓除去になるかもしれない。
薬局、検査室、血管室、MRIにも一声掛けておこう!」

吉村医師が病院のダイレクトブルーへ電話している間に
上舘看護師は女性の息子から事情を聞いていた。
息子も動揺している様子だ。

電話を終えた吉村医師が駆け寄る。
「八戸ドクターヘリ、フライトドクターの吉村です。
お母さんは脳卒中の可能性が高いです。
市民病院にヘリで搬送してすぐに治療を開始します。
お母さんは、いままでに病気をしたことはないですね?
息子さんは車ですぐに市民病院に来てください」
「はい、わかりました」
息子は頷いた。

短い時間の間に、女性はすでにヘリ内に搬入されていた。
後藤整備長の指揮の下、
救急隊と消防隊の素早い連携。
無駄がない動きだ。
(続く)


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