2人の脳梗塞治療 スピードが命 その3

2015年07月17日 18:18

吉村医師が診察を開始する。
意識障害、
目が左によっている。
右上下肢麻痺、
言葉が出ない。
顔面麻痺がある。
血圧計を見る。
「脳卒中だね。血糖を測定しよう。」
上舘看護師がすばやく血糖を測定する。
低血糖発作は脳卒中と同じ症状が出るから。
低血糖はなかった。
同時にバイタルサイン再チェックだ。
吉村医師は、救急隊から事情を聞きながら
モニター、バイタルサインを最確認する。
モニターに表示された心拍数は120〜180回/分の不整な頻脈だった。
血圧も140。
高くもなく低くもない。

女性は生来健康で、病院にはかかったことがほとんどなく
薬も何も飲んでいないらしい。
「未治療の心房細動か・・・脳梗塞だな」
吉村医師はつぶやいた。
心房細動と言う不整脈は、
心臓内の血流に渦ができ、
渦のよどみで、心臓の端に血栓ができる。
その血栓が突然心臓を離れて、
大動脈、さらに頸動脈、進んで、脳動脈に行き、
詰る。
脳梗塞を起こす。
脳卒中は日本人の死亡の死因の第4位。
県によっては、3位のところもある。

脳卒中には脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血が含まれる。
症状は似ているが、脳の血管が破れるか詰まるかでその病態は異なる。
これらの診断には、最終的には頭部CT検査が必要だが
ドクターヘリの病院前診療では、当たり前だが頭部CTは撮影できない。
病歴と身体所見から、診断を絞り込んでいく。
時間と資源の限られた病院前では、救急医の診断能力が問われる。
(続く)


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