スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

岩手県北へ その9

2015年06月30日 18:43

吉村医師は左上腕を駆血すると20Gの針を2本手に持ち
左前腕と左手背に同時にすばやく2カ所の静脈路を一気に確保した。
救急救命士を普段指導しているだけあって、
点滴の針を刺すのもうまい。
トランサミン1gが入った生理食塩水をつないで、全開で投与する。
もう一つは生理食塩水。
右手の出血部位を確認する。傷は深いが、止血されている。
救急隊による圧迫止血が効いたのか
血圧が下がって自然に出血が弱まったのか。
救急隊長が説明する。
「ガーゼで止血されましたが、現場に血痕が大量でした。
患者はワーファリン内服中です」
ワーファリン内服中、高齢者、骨盤骨折、出血性ショック。
不利な条件が揃っている。
大量出血のパターンだ。

吉村医師は救急隊に宣言する。
「搬送先は八戸市民病院。サムスリング装着したら、すぐに搬出します」
救急車のスライドドアを開けて
外にいた樫山整備長に大きな声で伝える
「患者はかなり重症です。急いで八戸に行きますよ」
「了解です!」
整備長はほっとした。
ここから盛岡市の岩手医大に飛ぶとことはできる。
しかし、岩手医大にはヘリポートがないし、
給油装置もない。
岩手医大の隣の警察署屋上に駐機して、
患者をエレベーター二つを乗り継いで、
汲々車に乗せ換えて、
病院へ運ぶ。
その間、ドクターヘリは屋上で待機する。
給油できないので、
帰りは直線で八戸にギリギリ帰るだけだ。
帰りに出動要請されても、
一旦八戸で給油してからでないと、患者の元へ行けない。
治療効果が同じなら
整備長は近い給油装置がある八戸へ戻りたかった。

だから、重症で八戸へ急ぐと、
吉村医師は声をかけてくれたことに、
安堵したのだ
(続く)

///////////
熱烈発売中
emwrgencycare (340x500)


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://doctorheli.blog97.fc2.com/tb.php/2102-3f993ac0
    この記事へのトラックバック



    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。