雲の上 後編

2015年05月06日 18:12

EC135は高度を上げて南へ機首を向けた。
20分前に来た方向は雲が厚い。
「天候が悪化しています。
雲が厚いです。
低いです」機長

「雲の上に上がります」機長
そう言った後で、
すうっと高度を上げると、
下は雲の絨毯となった。

高度500mと少し。
眼下に白い雲が広がる。
雲の上は日差しが強い。
ずうっと、盛岡まで見通せる気がした。

東京ー三沢空港のJALのジェット機から見える雲とは違い、
わずか10m先に手で触れそうな雲だ。
私は雲の白さと、
薄さ、
柔らかさを感じた。
この先ずーと先まで白い雲が見える。
視界はがどこまでも向こうが見える。


雲の絨毯の上を2本のスキッドでこするように
EC135は時速200kmで進んだ。

しばらく飛んだ。
三沢市を越えたあたりだった。

八戸空港の滑走路が下に一瞬見えた。
もう八戸なんだ。
雲が少なくなった。
さらに視界が効く。

EC135は高度を下げて300mに降りる。
ドクターシートから見える
後方の窓には、
もう遠くに白い雲が見えるだけだった。

八戸の町が遠くに見下ろせる。

EC135は、久しぶりの雲の上の飛行を無事に終えた。
時間にして数分だったかもしれない。
その間、
患者の観察は怠らないのは、もちろんだ。

八戸の街のビルの形がはっきりと見えた。

「鉄塔に気をつけてください」
いつものCSの声が無線から聞こえた。

11時48分八戸市立市民病院救命救急センターにEC135は到着した。
・・・・・・
飛ぶことには経験と技術と多くの人の支えが要る。

CSからの気象情報。
整備長の助言。
そして機長の経験と決断。


雲の上 完

・・・・・・・
ゴールデンウィークこどもの日
救命科入院14名。
多い


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://doctorheli.blog97.fc2.com/tb.php/2051-9d17ec9f
    この記事へのトラックバック