大学生車に跳ねられる その5

2015年04月16日 18:40

そして、チューブについている風船に10mlの空気を詰める。
これで、口の出血が気管に逆流しない。
勝田医師は、その間は、
右示指と母指を男性の唇にくっつけて
チューブをしっかり持つ。
深くはいりすぎると、
チューブが、右肺に入り込む。
片肺挿管と言う。
それを防ぐために、
しっかりとチューブを持つ。
長谷川医師はバッグバルブをチューブに接続した。
勝田医師は自分の顔を男性に近づける。
胸の上りを胸の高さで見るためだ。
「胸郭拳上由、胃の音よし」
聴診器で一番最初に音を聞くのは
肺ではない。
胃の音だ。
胃の音が、ゴボゴボすると、
それは食道挿管だ。
そうなればすぐに抜去する。
次に、左右の呼吸音を聴く。
その時脇の下で聴くのが大切。
左右で聞こえる音の大きさを比べる。
脇の下の音が左右差を比べやすい。
最後にも一度胃の音がしないことを確認する。
「チューブの位置よし」勝田医師の宣言
隊長は、青いチューブ固定具を口に回した。

長谷川医師は、隊長に聴く
「もう一人の傷病者はいないのですか。
いないなら、そろそろ、現場出発おねがいします」
傷病者が2名なら、長谷川医師は救急車を降りて
もう一名に接触しようと考えていた。
「いません。現場を出発します。
八戸ERに収容でいいですか」隊長
「はい」長谷川医師は、超音波を胸に当てながら答えた。
勝田医師は、気管チューブ内を吸引した後でバッグバルブで人工呼吸を続けた。
モニターに映る酸素飽和度は100%になった。

隊長は走り出す救急車の進行方向を見つめた。
(続く)
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明日
日本外科学会定期学術集会が
名古屋で開催されます。
4月16日の
シンポジウムでは
「トップナイフに聞く—外傷手術の肝(キモ)と鍛練法—」
がビデオで発表されます。
演者:今明秀



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