トラクターに巻き込まれた子供 その3

2015年03月29日 18:07

頸部をえぐる2/3周の挫滅汚染開放創あり。
右前胸部に泡沫が吹き出る開放創あり、皮下気腫あり。
穴が肺につながっている。
24フレンチの胸腔チューブをいた。
胸腔ドレナージと言う。

右橈骨では脈拍は微弱。血圧計は測定不能。
左上腕は、背側筋群を残した不全切断状態で外出血あり。

外科医が救急車で入れたはずの針はひつの真にか抜けていた。

困ったことに
ルート確保ができない。
両方の下腿は土で汚れて、傷だらけだ。
骨髄に針を刺して輸液路確保は感染の危険が大きすぎた。

右鎖骨上からの、中心静脈穿刺を始めた。
頭を下げた体位にする。
そして、18G針に注射器を付けて、
鎖骨下静脈と内頸静脈の接合部を狙う。
上手くいった。
採血もできた。
輸液を全会で流し、輸血の準備を始めた。
だが、まもなく橈骨動脈は触知できなくなった。
心拍数は150となった。
酸素飽和度も測定できない。
目は閉じていた。
良かったはずの顔色は今度は黒くなった。
心臓停止寸前だ。
私は気管挿管した。
血圧は測定不能だった。
一度も測れていない。

輸血は交差試験なしで開始した。
輸血5単位を急速に入れると右ソケイ部動脈が触知できた。
止血と感染予防の為、
すべての開放創を洗浄した。
そしてにガーゼタンポナーデし、クリップ閉鎖した。【
(続く)


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