収益経費のご質問

2015年03月14日 18:19

質問を頂きました。
「費用面での資料は作成されてないのでしょうか?
市民病院の総費用に対する救命部門の占める割合や
患者一人あたりに対する費用の状況(一般対救急)など
その費用面での効果を示してください。」

このブログは、八戸市立市民病院の公式ブログではありません。
正式の発表とはちがいますが、
大よその事を説明します。

1月分の収益を説明します。
ある月[30日分]の
病院全体
入院収益9億9千万円。
外来収益3億2千万円。
その他の収益を入れて
合計13億8千万円でした。

救急科の1月の入院収益2億6千万円
救急科の外来収益2千万円
合計2億8千万円です。
かなり多いです。

肝心の経費は、
1月の経費は病院全体で
給与、材料,減価償却を入れて
合計11億8千万円

救急科単独の経費は計算できません。
材料、減価償却などは、診療科別で区別できません。
救急科医師は年齢が若く給与は低め。
(経験年数が上がると給与も上がるので)
国民が想像する豊かな生活とはちがいます。

救急科は高額な材料を使うことが少ない。
だから経費は他の診療科より少ないと思われます。
数字では表すことができません。

ドクターヘリ経費はほとんどが国の負担。
[国と県の政策です]
ドクターカー経費は市と周辺自治体の負担。
[国と市町村の政策です]

救急科は多くの診療科の助けを借りて成り立ちます。
したがって、実は救急科収益にも、多くの診療科が関わります。
逆に、救急科が最初にERで診て、それから救命救急センターに入院し、
最後に、整形外科に入院するなど、
多くの診療科の、入り口を受け持つことも多いです。
病院では、職員一丸[医師看護師だけでなく]となり、
奮闘しています。
医師以外には診療科の区別はありません。

救急科は経費をたくさん使って収益を上げているのでは?

ご心配には及びません。
次の研究をご覧下さい。
・・・・・・・・・・
重症敗血症治療を分析しました。
八戸が左/米国・ヨーロッパが右(Lancet Infect Dis 2012)
28日死亡:27.5%/31.3%
90日死亡:29.3%/32.3%
外国の報告と比較して八戸の治療成績は同等のものであった。

八戸が左/国内の時研究結果が右(日集中医誌 2011)
救命救急センター平均在室日数:7.9±5.9日/5日
平均入院日数:27.0±30.0日/26日
退院死亡率は:29.3%/33.5%
国内の報告と比較して八戸の治療成績は同等のものであった。

そして注目すべきは
一人総治療費:150.0万円(八戸中央値)
          267.1万円(国内中央値)

【結論】
救命効果は海外、国内と同等。
経費は国内中央値と比べ格安。
救急医が初期治療から退院・転院まで一貫して受け持つことが
合併症を防ぎ
高額な薬、器械使用を防ぐ。
・・・・・・・・

今後も経費は節約
救命効果は最大限に
がんばります。

八戸市立市民病院に救命病棟が設立されて、
救急医が10人働くようになって7年。

救命病棟で入院受け持ちが100名を超えるようになり、
救急医が20人働くようになって3年。

いまはまだ、救命成績は国内トップではないけれど
狙っています。
劇的救命P3180044 (500x375)


八戸市立市民病院が単年度経営黒字になって5年。

これからも応援おねがいします。
・・・・・

明日は、いよいよ研修医メディカルラリー
こちらも速報します。


コメント

  1. ブログ閲覧者 | URL | iVnRIGTc

    八戸市民病院は医業収支で黒字、と言う事でしょうか?
    八戸市の財政状況を見ると、市民病院に相当額の負担金を支出している様ですが、医業でバランスしているとなると経常で相当の黒字となりますが、そういう事でしょうか?

    総治療費の内訳は有りますでしょうか?また、日本中央値の57%ほどとなってますが、原因は判りますでしょうか?
    公立病院で治療内容、治療成績、人件費も使う機材も概ね同じ条件だとすると、違いは減価償却費かな?と思われますが、どうなんでしょうか?

    開業医は豊かなんですか?

  2. コン | URL | JalddpaA

    すいません、これ以上経営状況に詳しくお答えする心の余裕と、
    時間がありません。
    詳細は公式病院ホームページあるいは市役所にご質問ください。
    本当にすいません。
    豊かの発言、誤解を招くので修正しました。

    国内中央値より、八戸が医療費が低いのは、
    高額薬品の使用頻度が少ないからだと推測します。
    今後も応援よろしくおねがいします

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