常在戦場

2015年02月20日 18:07

先日は、八戸地方で大きな地震を感じました。
災害対策本部を対あげそうになりました。
病院被害がなく、それには及びませんでした。

10年前新潟県中越地震が起きました。
中越地域の住民は病院も含めて壊滅的打撃を受けました。
その中央には長岡赤十字病院がありました。
だけど、この病院だけは、
日ごろからの災害の備えが充実しており、
災害拠点病院として、大活躍しています。

私たちも、中越地震には医療救護班として出動しましたが、
長岡赤十字病院の活躍には感心したものです。

その長岡地区には、戦国時代から伝わる家風があります。
「常在戦場」です。
戦国時代にあって、周囲を強い敵に囲まれていた長岡藩は、
「常在戦場」の精神で、
四方の敵に注意しながら戦国時代を生き抜いたのです。
北の敵には北のやり方で、
南の敵には別のやり方で、
西の敵には、また別のやり方で、
しかも常時、その備えを緩ませない。

戊辰戦争で活躍した、
長岡藩の川井継之助はこの「常在戦場」を実行した人でした。

救急医療の現場は
意識障害、発熱、腹痛、胸痛、頭痛、血圧低下、
めまい、ケガ、自殺、など多くの病気やケガに囲まれています。
しかも24時間切れ目なしで。
救急医療は一般診療科のように、
頭だけを診る、
腹だけを診る、
骨折だけを診る、
これはウチの科ではない、
時間外だから断る、
では済まされません。
頭からつま先まで、
子供も高齢者も、
精神疾患もケガも、
いわば四方の敵全てに常に注意して勉強し、
備えることが重要です。
常に四方の敵全てに対応できるように、
一人の医師が診療する態度は「常在戦場」と通じると思います。
言い過ぎかもしれませんが。

全国の多くの地域で救急医療が破たんしているこの時代は、
戦国時代と似ています。
専門分野に特化した医師がもてはやされる時代だけど、
周りの救急患者全てに常に対応するやり方、
「常在戦場」の精神が救急医療のピンチを救うヒントだと思います。



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