お父さんの具合が悪い、助けて 最終

2015年02月03日 18:41

「そうだった、心臓カテーテル室は空いていなかったんだ。
収容病院に迷ったんだった。
血管造影室で処置することはいい考えだ」私
「PCPSが回れば、心臓、脳、全身の循環と酸素化が改善しますから、
少し時間稼ぎができます。それから心臓カテーテル室に移動します」河野医師
 
15時20分 血管造影室の自動ドアを開けると、
青い手術ガウン身を包んだ丸橋医師、木村医師、藤田医師がいた。
丸橋医師は、色白の肌をマスクと帽子の間からわずかに出し、
間に見える眼光に強さを感じた。
劇的救命チームの第二弾が始まる。
病院前ドクターヘリ出動では、できる限りのことを、
できる限り時間短縮して安全に行った。
救急隊、消防、機長、整備長、CSと連携がうまくいった。
これから、第二弾だ。
まだ、心拍再開していない。
普通に考えて、心停止して30分近く心拍再開しないで、
アドレナリも6回以上静注している状況で、
心停止前からショック状態が続いていて、
勝算が薄いのは予想できる。

これまで、心停止でPCPSを使い社会復帰できたのは、
南郷地区が最遠だった。
病院から15kmくらいの距離。
今回の25kmは最長記録だ。
その限界に挑む

第二弾は、PCPSを使った心肺蘇生だ。
3名の医師は次々と手技を同時に進めた。
15時33分PCPSのポンプシステムから鮮紅色の血液が流れ、
それが男性の体に入った。
胸骨圧迫を止めた。
現場で心臓停止してから43分だった。
まだ、心臓は動かない。
しかし、すこしづつ、脈圧が上がった。
いい兆しだ。

15時35分腕が動いた。
15時40分開眼し、手を握った。
第二弾PCPSの成功だ。

この後、第三弾が待つ。
第三弾は,心臓カテーテル治療。

調度、一つ前にドクターヘリで運んで来た転院搬送の心筋梗塞の心臓カテーテル治療が終わった。
そして、放射線技師が休む間もなく、
PCPSで目が開いた男性は、
青いガウンを脱いで、スクラブ姿なった、
木村医師、丸橋医師、藤田医師に両脇に付かれて、
心臓カテーテル室へ移動した。
3人の背中の「Spirits of HACHINOHE」のプリントが汗で濡れていた。

第三弾の心臓カテーテル治療は、
循環器医師が受け持つ。
手際よくカテーテル治療が行われる。
モニターに詰まっている冠動脈が映し出された。
そこから、血の塊を抜き取ると、勢いよく血流が改善した。
完全に詰っていた心臓の血管が開通し
生命を取り戻した。

詰っていたところに、ステントと言う、血管を広げるバネを挿入する。

第4弾は、集中治療だ。
脳jの機能を考えた集中治療。
男性は、救命救急センターに入院した。
全身の冷却治療はERから開始されている。

1週間後にPCPS治療を終了できた。
そして2週間後にはっきりと覚醒した。
「胸痛くないですか」
わたしの問いに首を横に振った。

喜ぶ家族の顔が目に浮かぶ。

劇的救命!

お父さんの具合が悪い、助けて (完)

・・・・・・・
週末、1月31日、2月1日は多職種災害講習会MCLSが開催されました。
救急医師、救急看護師、救急隊、市役所災害担当、が受講しました。
遠方から講師に駆けつけてくださったみなさまお疲れさまでした。

1月、2月の週末は、救急講習会が続きます。


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