お父さんの具合が悪い、助けて その2

2015年01月26日 18:33

飛行中に無線が入った。
「47歳男性、血圧測定不能、酸素飽和度測定不能、心拍数44、呼吸数26回浅い、
意識JCS10.顔面チアノーゼ、起坐呼吸、糖尿病あり、」
「はい、酸素使用ですね」
14時42分着陸。
先着していた救急車に乗り込んだ。
坂上救急救命士が説明する。
「接触時会話可能、現在さらに意識低下あり、
血圧一度も測定できません。体温もLOWです。」
私はまず、脈拍を触った。
腕で触れない。鼠径部で触れない。
頸動脈で弱い。
「これはまずい。心臓止まるかもしれない。
ライン確保するから、イノバンを始めるよ」
「はい、準備できています」
和島ナースは、シリンジポンプにイノバンシリンジをセットして、
空気抜きを始めていた。
男性の右腕にゴムを巻く。
冷え切った腕に血管は浮き出て来ない。
想定内だ。
心臓ショックでは、全身の血管が縮みあがっている。
それだけ、心臓ショックが強いということだ。
私はひるまない。
浮でない血管でも、わずかに青い筋を刺すと、成功することもある。
わたしは、いつも通りの20G針をゆっくりと進めた。
一つ目は失敗、全く血がかえって来ない。
二つ目をさらにゆっくり針を進める。
成功だ。血液の逆流があった。
救急隊に固定してもらう。
ナースは、昇圧剤のイノバンを開始してくれた。
心臓超音波検査をする。
左心室の動きがわるい。
やはり心筋梗塞だ。
しかも、心原性ショックだ。
大動脈バルーンパンピングを入れてから、
カテーテル治療が必要だ。
(続く)


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://doctorheli.blog97.fc2.com/tb.php/1960-f3b930aa
    この記事へのトラックバック