スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

山頂の心筋梗塞患者を救え その4

2015年01月02日 14:31

「あった、左前方電波塔の東側の小屋のさらに東に人がいる」私
機長は私の声を聴く前に、
すでに把握していたようだった。
私の声が終わらないうちに、機首が東を向いた。
眩しい太陽光がアクリルガラスに
反射する。
ガラス越しに折爪岳が見えた。
DSCF6166 (500x333)


小さな人影だったが、
高度を下すと手を振る姿がしっかり見えた。
DSCF6164 (500x333) (2)

「救急隊は間もなく山頂に到着する」救急隊長の声の合間に息遣い聞こえる。
携帯無線機から走りながらの送信だった。

EC135は小屋の上にいた。
このままヘリコプターが下りれば、
その下の登山客にダウンウオッシュがふりかかる。
どうするのかなとわたしは思った。
機長は、ダウンウオッシュの影響が出ない高さで、機体を空中停止させていた。
西風が強い。
機体は八甲田山から吹いてくる西風を受けても、
ぴたりと停止していた。
登山者は腕を振ってこちらに合図している。

すると、
青い予防服の救急隊の3名が走るのが見えた。
すごい、山頂まで走ってきたのだ。
救急装備を持って。
まさに、たった今到着した。
隊員は傷病者に毛布をかける。
機関員は着陸ポイント中央に出て空に腕を振る。
隊長は、登山者全員を小屋の方向に誘導する。
着陸地点は、不規則に足で踏み固められていた。
太陽の光で凹凸に影ができている。
真っ白い平らな雪原に着陸するより、
少々の凹凸がある雪の方が着陸しやすい。
距離感がつかみやすい。
着陸ポイント中央に出ていた機関員も端に寄った。
「八戸ドクターヘリ1より、階上救急どうぞ、
積雪はどれくらいですか」整備長
「30cm位。
踏み固められている。雪の下は平地」
まだ呼吸が荒い隊長だった。
機長は木の揺れ方から西風を把握していた。
機体はいったん小屋の上を離れた。
そして太平洋側で旋回し、
西に向かってアプローチを開始した。
風に向かって着陸するのが鉄則。
浮力を保てるから。
葉が全部落ちた裸の落葉樹林がダウンウオシュで揺れる。
ゆっくりと高度が下りる。
下に見える着陸スペースは広くない。
東から西に向かう機体にとってはサイズが合わない。
機長は高度をおろし、機首を南に振った。
着陸場所が縦長だから。
南北に長い地形だった。
高度が下がる。
「左後ろ見えています。OKです」後部席の私たちも、
見張りに協力する。
(続く)


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://doctorheli.blog97.fc2.com/tb.php/1933-3d0db879
    この記事へのトラックバック



    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。