山頂の心筋梗塞患者を救え その1

2014年12月30日 14:22

丸橋医師が当直だった日。
救急科の新入院患者数16名。
歩いて来る人、車で来る人、
救急車で来る人、
ドクターカーが出動、
ドクターヘリが出動、
近隣病院からの転院。
ごった返していた。

翌日のドクターヘリ当番は私。
気温は低いが青い空が見える。
風も弱いし、絶好のフライト日和だ。
朝の機長とのミーティングでは、全県出動可能。
岩手県北も出動可能。

まず、○戸郡からの要請だった。
県境近くの森で林業中。
チェーンソーで大きな木を切り倒していた男性。
同僚が異音を聞いた。
チェーンソーの音の後に、
木が倒れる音、
続いてヘルメットに木が当たる音。
これはヤバいと思い、
同僚は男性の作業現場近くに声をかけながら近づいたが、
答えはかえって来ない。
男性は木のそばに倒れていた。
呼びかけに反応ない。
10時45分同僚は119通報した。
八戸消防は、直近救急隊を出動させた。
救急隊は10時59分現場に到着した。
14分かかった。
日本の平均が119通報から6分で現場到着だから、
いかに、山の中かが想像できると思う。
「意識が悪い。
耳から出血がある。
頭部外傷だ」
11時13分隊長はドクターヘリの出動要請をかけた。

零下に冷えた大気の下で、EC135は暖気運転をする。
エンジンオイルの温度を示すインジケーターが安全域に入らない。
「もう少し待ってください。暖気運転中です」機長
私と高谷ナースは後部席で打ち合わせする。
「耳から出血があるらしい。
頭部外傷だ」
要請から7分後にオイルが温まったEC135は
機首を東の太平洋に向けて離陸した。
病棟2階くらいの高さで、機首を南の階上岳方向にねじり、
そのまま時計回りに回転しながら高度を上げた。

新井田川には、シベリアの冬を避けて南下してきた白鳥が群れている。
飛行中の鳥は、ヘリコプターに衝突する事故が起こるので気を使うが、
DSC_1067 (500x281)

川に浮いている鳥なら心配ない。
DSC_1066 (500x281)

八戸消防本部の大きな電波塔を左に見て、
ドクターヘリは南西に向かった。
(続く)
・・・・・・・
患者を特定されないように掲載時期をずらしています。


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