川越救急クリニック

2014年12月26日 18:13

元 八戸の木川医師からのメッセージです
現在川越救急クリニック 木川英
木川
写真は雑誌ドクターズマガジンに掲載された、国内の有名施設で後期研修修練を終えた、
やる気満々の10年目医師たちの座談会特集。
左の長身男性が木川医師。
 
木川先生からのメッセージです。
おかげさまで、この連載も10回目を迎えることができました。

 打ち切りにならずに済んでいるのは、皆様のおかげです。
いつもありがとうございます。

 さてそんな中、10月下旬に福岡で開催された
第42回日本救急医学会総会・学術集会に行ってきました。

 そこで、「夜間専門クリニックは地域の救急医療を変える」という発表をしてきました。

 内容をかいつまんで申しますと……。

 川越クリニックが救急告示を受けた2013年12月の前後3カ月に、
川越クリニックに搬送された救急患者の照会件数および救急隊現場滞在時間を調査して、
川越クリニックの救急告示後に地元川越地区の救急医療情勢が変化したかを検証しました。
 
 救急告示の前後3カ月を、2013年9~11月(前期)と2013年12月~2014年2月(後期)としました。

 当院に救急搬送された件数は前期で377件、後期で503件。

 当院までの平均照会件数は前期で3.9回、後期で3.4回。

 救急隊の現場滞在時間平均は前期で38.4分、後期で31.3分。

 救急告示を受けてから、当院に救急搬送される件数が増加し、
照会件数が減少したことにより、救急隊の現場滞在時間も短縮しました。

 毎年、総務省が発表している「医療機関に受入れ照会を行った回数ごとの件数」があります。
昨年の全国の救命救急センターの集計では、60万人の96%は3回以下で搬送が決定しています。

 一方、昨年川越クリニックに搬送された患者1321人の55%以上が4回以上の照会を行った患者でした。
もちろん、川越クリニックに搬送されるのは大部分が軽症なので単純な比較はできませんが、
複数の施設から受け入れを拒否された患者を川越クリニックが引き受けることにより、
川越地区の救急医療体制に良い影響を与えたと考えられます。
 
 救急隊にとっても、現場滞在時間の短縮により次の出動までの時間が多く取れ、
管轄内での要請に他の地域の救急隊にお世話にならずに対応できる、
といったメリットが生まれました。

 この結果から、埼玉県より救急隊の現場滞在時間平均が長い東京の都市部でも、
このような形態のクリニックが貢献できることが示唆されます。

 以上、救クリが地域医療を変えたという旨の発表を行ってきまして、
会場でもそこそこの反響がありました。

 医学界ではまだまた異端児扱いなので、
これからはよりメジャーを目指して学会活動を精力的に行っていきたいと思いました。

 そんな中でも、「高齢者の救急医療」に関するトピックスは非常に共感できる内容でした。

 これからの超高齢社会の中での救急医療の
医療的、経済的、行政的、地域的な位置付けを考えている場合ではなく、
もう既に実行しなければ手遅れになる。

 日本中の救命救急センターのスタッフが同じような悩みを持っていることが判明し、
同じようなことが各地で起こっていることも分かりました。

 私も、できる範囲は限られていますが、高齢者の問題に関しましては、
良い方向に向かうように努力していく所存です。

 また、学会は懐かしい顔に会える場所でもあります。

 前職の八戸市立市民病院救命救急センターでお世話になった今明秀先生にもお会いできて、
うれしかったです。

 そんな北国の救命センター発の本
『青森ドクターヘリ 劇的救命日記』が出たようなので、私も早速購入させていただきました。

 では、また次回お会いしましょう。


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