20km地点のCPAにPCPS 最終

2014年12月14日 18:41

チューブの位置を確認する。
眼で、音で、
二酸化炭素呼気モニターを付けた。
二酸化炭素は肺から出てくる。
食道からは出ない。
だから、二酸化炭素が検出され、呼吸とともに変化あれば、気管挿管は成功だ。

「よし、二酸化炭素はよし」赤いインジケーターが呼気の二酸化炭素の濃度を示す。
呼吸とともに、上がり下がりする。
気管挿管成功のサインだ。
わたしは、隊長にチューブ固定をお願いした。
専用のチューブ固定器を使う。
そして、次に、PCPSを考えて行動だ。
すでに、救急車内心停止発生時より、想定していた。
CPRにこのまま、反応しなければPCPS治療をERで開始する。
薬剤投与する二次救命処置で15分反応なければ、
原因が心臓病であれば、
PCPS治療を開始する。

気管挿管、電気ショック、アドレナリン投与、
それに加えて超音波検査をする。
冷や汗、胸痛、ショック、心肺停止の原因が、
大動脈解離でないことを確かめる。
大動脈解離で、心臓停止する時は、
大動脈弁閉鎖不全と心タンポナーデのどちらかが現れることが多い。
心タンポナーデになる心嚢液が溜まっていないことを確認する。

PCPS用に大腿動静脈に留置針を入れる。
揺れる車内で、16Gの太い針を2本刺す。
こちらも成功。

搬送中に可能な処置は全部できた。
そして心室細動が継続したままで男性はERに入室した。

劇的救命チームが待つ八戸ERに持ち込む。
勝負はERで。
病院前では、ボタンの掛け違いをしないこと。

ER入室8分後にPCPSの回路が回り始めた。
間髪を入れずに心臓カテーテル室へ移動させ治療を行う。
すでに循環器内科医師が準備を整えている。
心臓カテーテル治療中に男性の心臓が拍動し始めた。

心臓の冠動脈が開通したころに、人工呼吸中の男性の目が開いた。
呼びかけに頷き、手も握った。

みんなが感動した。

20km地点のCPAにPCPS  完


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