20km地点のCPAにPCPS その2

2014年12月10日 18:35

八戸消防司令課から無線が入る。
ドッキングポイントは、国道4号線交差点剣吉。
田子から20km、八戸から20km地点だ。

ドクターカーは剣吉交差点の先着した。
Uターンして、空き地で待つ。

カーナービでは、田子救急車は近づくのが写っていた。

救急車のサイレンが聞こえた。
緑が濃い、山の中に、サイレンは都会とは違うコダマを響かせた。
交差点の車が全方向停車した。
白い車体に赤いLEDを輝かせて、
救急車が交差点右折した。
ドクターカーのドアを開けて、外に出る。
右手に赤い救急バッグ、左手に黒い超音波バッグ。
反射板付の赤い災害服のせいか、
湿度のせいか、
緊張のせいか、
背中には、わずかに汗をかいていた。
いよいよ、救命治療が始まる。
誰より得意。
私の出番。
必ず助ける。
まだ見ぬ、意識がないショックの男性に救命手順を数秒でシュミレーションした。
大事なのは、細かい救急技術ではない。
気管挿管とか、薬剤投与とかでない。
それらは当然正確に行う。
要求されるのは
分かれ道で適切な道を選択する戦略だ。
ボタンのかけ違いはICUでも手術室で修正はできない。
戦略のまちがいは許されない。
救急専門医が、ドクターカー、ドクターヘリで現場に出る目的は、
現場からはじまる戦略決定だ。
現場で気管挿管しました。
超音波検査しました。
外傷プライマリサーベイしました。
それだけなら、救急講習会を終了した医師ならできる。
救急講習会で教えることができないのが戦略だ。
戦略は緊急性のある重症度の高い患者の診療を日常的に行うことから学べる。
日常的に手術したり、集中治療している救急医だからできる戦略決定だ。
Decision mekingともいう。

日本医大千葉北総ドクターヘリ、
兵庫県豊岡ドクターヘリ、
大阪千里ドクターカー
国内有名病院の救急医現場出動チームと
他の地域の、救急発展途上のドクターヘリ、ドクターカーと違いは、
出動する救急医が持っている戦略決定権だ。
重症患者を現場で診療開始し、
そして自院に運ぶ。
連続して決定的治療に持ち込む。
(続く)


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