ダイバー隊が海中から救助 最終

2014年11月27日 17:51

左鼠径部では、昆祐理医師が、
鼠径部の大腿動脈を穿刺する。
超音波を使って、狙いをつける。
心臓が動いている場合には、
動脈の拍動が強く感じられるので、
拍動を指で感じながら大腿動脈を刺す。
だが、心臓が止まると創はいかない。
経験でこの位置と言う部位を穿刺するか、
超音波を使って穿刺するか。
超音波を使う方が、安全で、早いことが多い。
動脈チューブもうまく留置できた。

小橋MEとは畠山MEが試運転完了したPCPSにいよいよ接続する。
丸橋医師が入れた静脈チューブから黒い血液が流れ出て、
人工心臓と人工肺を通過する。
通過した後は、鮮紅色の血液に代わり、皿血温度は39度に温められて
昆祐理医師の入れた動脈チューブに帰る。
心臓は止まったままだが、
人工ポンプの働きで、
男性の全身に鮮紅色の温かい血液は回る。
もちろん脳細胞にも、心臓にも。

救命不可能と思われる心臓停止からPCPSを使い社会復帰させるタイムリミットは60分。
通常の病院での心肺蘇生法で心臓が戻らない患者に、PCPSを使い
11%が社会復帰衣する。
心臓停止してから60分以内にPCPSを回したい。
14:16男子は海に落ちている。
おそらくそのあとで心停止。
タイムリミットは15時16分。

八戸消防ダイバー、八戸消防レスキュー、東救急隊、八戸ドクターカー、八戸ERとつないだ、救命救急のリレーが、バックストレートに走る。

回路が回った。
「何時、いま」
「15時10分です」小橋ME
「よし、いいぞ、みんな合格だ」私

「電気ショックかけます」藤田医師
「よし、いけ」私
「離れて下さい、ショック」

心電図波形は正常に戻った。
15時16分電気ショックで心拍再開
瞳孔3mm/2mm。現場の瞳孔散大から改善した。

だが、この先手ごわいことは知っている。
救命率ゼロから救命率11%へ持ち上げるPCPS治療。
裏からいえば9割はやはり助けられない。

困難を知りつつ、集中治療は始まった。

ダイバー隊が海中から救助  完


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