limit of love 海猿 後編

2014年10月13日 18:03

海猿を引き上げるのと同時に、
ヘリはドアを開けたまま、急旋回し現場を離脱した。
海猿が上がってきた

あっという間に、船の明かりは小さくなった。

私はその間ヘリ内で、いつもよりきつくシートベルトを締めていただけだったが、
へりの開いたドアから見えた真っ暗な空と海と潮の匂い、
揺れる漁船の最高出力と思われた集魚灯、
全員ヘルメット姿だが、
その動きにまったく統制が取れていない数十人の乗り組員は十分に、
私が、日本から400kmの太平洋上にいることを意識させた。
退避用上で治療開始

患者は、呼吸で胸の上がりが悪く腹式呼吸、
ショック状態,意識障害、第5頚髄以下の運動麻痺と両上肢の感覚異常を認めた。
得意の外傷診療

100%酸素投与で酸素飽和度はぎりぎり正常に保った。
全脊柱固定と急速輸液、酸素投与で飛行を続けた。
限られた酸素を節約しながら投与したが、
酸素流量が大きいため、残量はぐんぐん減っていった。
途中で酸素切れが予想されたので、
そのときの対処法を、ヘリ内のスタッフ全員で確認しておいた。
午前1時5分、
隊員の緊急携帯用酸素ボンベを使用し補助換気を行いながら
当センターのライトで照らされていたヘリポートへ着陸した。
八戸市民病院へ着陸

若い救急医が酸素ボンベを小脇に抱えて近づいてくるのが見えた。
速やかに救命救急センターに入室し、
頸髄損傷の集中治療が開始された。

若い医師の間で、「救急」に最近人気が出てきたのは、
役立つ医療と、感動する医療が同居するからだろう。
映画のようなエキサイティングな場面は少ないけれども、
出くわせば確実にシーンの中にいられる。
高校生諸君、伊藤英明にならないかい!
山ピーにならないかい!

Limit of love 海猿 完
・・・・・・・・


海猿 洋上救急シリーズ 
好評につき続けます。
明日は
episode 4




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