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電撃傷2例 その2

2014年09月14日 18:05

電撃傷の解説です。
医療者向けです。
市民のみなさんごめんなさい。

電撃傷はそれほど多く発生するケガではありません。
未経験の医師が多いのです。
だから、ここで解説します。

電撃傷の診断は通常,患者や家族,救急隊から得られる病歴から容易である.
しかし,時に目撃者がなく,意識障害で発見されることもある.
病歴聴取で重要なことは,電圧の大きさ,直流か交流か,
通電持続時間,電流の通り道,皮膚の濡れ具合を知ることである .
外傷の標準治療である,JATECに沿いPrimary survey後に ,
Secondary surveyとして,皮膚の熱傷や,二次的な外傷の評価を行う.
頸椎損傷の評価は必ず必要である.

12誘導心電図と心電図モニタは
600v以上の高電圧感電では全例必要である.
低電圧でも,意識障害,健忘,神経学的異常所見あり,
動悸,胸痛,不整脈の症状がある場合は検査すべきである.

小さな病院から移送の判断基準
気道呼吸循環意識に異常があれば、高次医療機関へ転送する。

患者の診かた
電気による損傷の原因は労災によるものが多く,
次に幼小児による電気設備施設への興味本位の進入,
釣り竿の送電線への接触である.
電撃傷は生体内通電経路で電気抵抗となった生体組織がジュール熱を発生して,
通電経路に断続的,不整形に生ずる損傷である.
電撃傷の体表損傷は,いわゆる流入創,流出創での
電気メスによる傷に似た
乾性の大小・深浅のⅢ度熱傷(電流斑)である.

検査とその所見の読み方
尿潜血が陽性で,沈査で赤血球尿がないときは,
筋肉損傷から流出したミオグロビンを示している.

筋肉損傷を伴う重症電撃傷ではCPKは5桁まで上昇する.
肝機能異常と,アミラーゼの上昇を認めた場合は,
腹腔内合併損傷を疑い,超音波検査とCT検査を行う.

鑑別すべき疾患と鑑別のポイント
高所電気工事現場から墜落した場合、電撃傷、意識障害先行、過失の鑑別が必要.
意識障害先行は以下の「S」が原因となる。
①血糖(Sugar)
②失神(Syncope)
③脳卒中(Stroke)
④痙攣(Seizure)
電流斑に似た乾性の皮膚潰瘍としては,
焼火箸などによる傷でも似た損傷となる.
内因性疾患で心停止し,その後に感電しても同様な皮膚潰瘍が生じることより,
電流斑のみから感電とは言えない.
先に重要な病気があったのかもしれない。


合併症・続発症の診断
不整脈を見落とさない。
心室細動に備えて除細動器を準備する。
アーク放電では7,000〜22,000℃の高熱の衝撃波によって患者の体は吹き飛ばされ,
骨折や内臓損傷を合併することがある.


治療法のワンポイント
電撃傷では,電源を切って患者を電源から安全に救出する.
重症であれば,乳酸リンゲル液を輸液するが,輸液速度に熱傷の公式は使えない.
毎時尿量を1ml/kg/hに保つように輸液する.
ミオグロビン尿が認められたら,1.5〜2ml/kg/hとなるように輸液を増量する.
腎尿細管に沈着する溶血色素を減少させるために
pH7.45以上を目標に重炭酸塩を静脈内投与する.

出典
電撃傷診断のポイント
今日の診断指診第7版2014
八戸市立市民病院救命救急センター所長今 明秀
[続く]


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