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太平洋溺水 その5

2014年07月31日 18:43

10時12分 八戸ドクターカー現場到着。
10秒後、期待通りに後ろのドアから光銭医師、原医師が乗り込んできた。

まずは簡潔に状況を伝える。
「血糖良し、E1V1M4、循環良し。」
そして、私は増えたスタッフへ矢継ぎ早に指示を出し、滞っていた処置を一気に進める。
「光銭先生、ルート確保をお願い」
「原先生、外傷はないけど超音波見て」
「西川さん、次は心電図12誘導」
「隊長、血圧上肢左右差をチェックして」

「それから光銭先生、家族から病歴聞いて。
意識障害の鑑別で、前に進めないでいるから」
素早くルート確保を済ませた光銭医師は、情報収集に向かう。

リーダーの仕事は続く。
「機長、ヘリ搬送するよ。収容先は八戸救命だ」
「隊長、ヘリにどうやって移すか、指示を頂戴、
必ず整備長とアイコンタクトとってから車を動かして」
隊長「まず救急車のストレッチャー外へ出します。
救急車のストレッチャーで少し移動します。
路側帯の杭は高さ50cm。車はこえられません。
救急車とヘリのストレッチャーで路側帯挟み、その上を平行移動させます。」
「OK」

「●●内科かかりつけ、ワーファリン飲んでいます」光銭医師の報告が入る。
「12誘導心電図は幅が狭いQRS で RR間隔不整、P 波なし。やっぱり心房細動だ」原医師
「それじゃ、血栓が飛んだ?」光銭医師
「脳塞栓?そうか、心臓発作じゃなかったんだ」私も納得した。

「原先生と私はドクターヘリ。
光銭医師はドクターカーに家族を一人乗せて病院へ。
途中で詳細な病歴を取ってね」

隊長の指示にしたがってストレッチャーを動かし、患者をヘリに収容する。
10時10分八戸ドクターヘリ現場離陸。
離陸をも送ったドクターカーは現場を出発した。

上空で調べた鼓膜体温は、35.5℃。低い。
太平洋の水温は118℃くらいのはずだ。
千島寒流がお沖を流れる。
ウェットスーツで作業していたとしても、体温が下がって不思議はない。

高度400mを飛ぶEC135の曲面ガラスに太陽の光を突き刺さる。
室内温度は高めだった。

10時14分 八戸市立市民病院へリポート着陸。
ERへ移して診療を継続する。
頭部CT撮影は問題なし。
心エコーも大きな異常なし。
(続く)


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