救急脳外科今野参上 その7

2014年07月12日 18:06

エピソード3

建設現場での頭部外傷手術の6時間後。

別の事件が起こっていた。

60歳代男性は痛飲した。
詳細は分からないが、目撃者の情報では、
深夜タクシーから降りた。
自宅前で。
だが、そのあとの行動がおかしい。
道路を挟んで自宅と反対側の
他人の家に近づいた。
深夜で戸締りされていたその家には入れなかった。
また住人も気づかない。
酩酊状態の男性は、その家の裏側で靴を脱いだ。
そして、家に入ろうとしたのだろう。
だが、戸締りされている家には入れない。
家の周りを歩いたのだろうか。
発見された時の靴下は汚れていた。

夜が明けた。
新聞配達員が、倒れている男性を発見した。
死んだように動かない。
ゆすると、息はあった。
倒れていた外の気温は4度。
119番通報した。

(患者特定できないように
掲載時期を大幅にずらしています
ご了承ください)

救急隊はすぐに到着した。
体は冷たく、
呼吸は弱い。
意識は痛み刺激で開眼しない。
この時間帯はドクターカーの出動時間外。
救急隊長は外傷JPTECで男性を観察した。
意識障害、頭部外傷でロードアンドゴーだ。
三次救急選定だ。

バックボードで固定し、酸素投与で八戸ERに向かった。

八戸ERでは当直の、木村医師、野田頭副所長が出迎えた。
気道舌根沈下、呼吸は弱い。血圧は高い220。心拍数40で遅い。
瞳孔両側7mm。
意識昏睡GCS3.
JCS300.
命に関わる脳ヘルニアのサインが出ている。
気管挿管をする。
熟練吉村医師には容易だった。
薬剤なしでできた。
温めた生食を急速で開始する。
血糖値は120で正常だ。

胸部、腹部、骨盤の診察をする。
こちらは異常なし。
(続く)


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