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トラクター事故 その7

2014年06月15日 18:03

「隊長、収容は八戸ER,
ヘリコプターに車を近づけてちょうだい。
その時、整備長と連携とってね」私
「出血源検索するよ。
FASTをまずするよ。」私

動き出した車の中で超音波検査をする。
血胸と腹部出血、心臓破裂を見抜く。
3つともない。
骨盤の診察は隊長に聞く。
意識のいい患者は骨盤骨折があると、
骨盤の触診で痛がる。
「骨盤触診しましたか。痛がりましたか?」私
「しました。痛がりません」隊長
視診で下肢長差なし、
視診で骨盤の打撲痕なし、
視診で、陰嚢血腫なし。
骨盤骨折はないのか?
ここで、私の失敗。

後でわかる。

あまりに胸が痛くて、呼吸が苦しくて、
骨盤の痛みを訴えなかったかもしれない。
ほんとうは、骨盤骨折があっても。
痛みを紛らわす外傷が他にあるときに、陥りやすい落とし穴だ。
Distracting injury

患者は救急車から外に出された。
ドクターヘリストレッチャーに乗せ換える。
ドクターヘリストレッチャーは、
救急車ストレッチャーより軽量化されている。
空を飛ぶのに、重さは大事。

移動を濱舘医師に任せて、わたしは、携帯電話を持つ。
ダイレクトブルーPHSにかける。
「フレイルチェスト、呼吸不全、出血性ショック。
気管挿管陽圧呼吸、輸液開始。FAST陰性、骨盤圧痛なし、
だけど、受傷機転はトラクター事故。おそらく出血源は骨盤」
「はい、わかりました」
「O型輸血準備して」私
血液の30%以上の出血には輸血が必要だ。
頻脈、血圧低下、頻呼吸、意識朦朧、冷や汗は30%以上の出血を意味する。
だから輸血が必要だ。
初心者には、初期輸液2Lで血圧が上がらなかったら輸血と教えている。
それでも、輸血の判断は遅くない。
だけど、危機的状況では、早い輸血がアシドーシス、凝固障害を防ぐ。
いまは、その段階。
(続く)


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