2歳出血性ショック その13

2014年04月15日 18:50

「損傷の場所を確認するよ。
脾臓良し。
腸間膜よし」
出血部から遠い部位からタオルをはずす。
「最後は、肝臓だ」
ここで、肝臓を横隔膜からもちあげて、損傷部を眼で確認しようとすると
出血が大きくなるものだ。
また、止血しかかっている損傷部に、針糸で縫合すると再び出る。
しかし、いつまでも、プリングル肝門部遮断を続けるわけにもいかない。
「肝臓周囲パッキング、子供なので、
腹部は閉鎖できるはず。
頭部外傷手術が必要かどうか
CT撮影する。
頭部外傷手術の必要の決定と実行が次の優先順位だ。
そしてその次は
血管造影室へ移動し肝臓の動脈速栓術TAE。
頭の手術の有無に関わらず
肝臓のTAEはするよ。
血管造影室を暖めておいて、準備初めて下さい」
直ぐに、貫和医師は電話を始めた。

肝臓の右に破裂している場所がある。
破裂が小さくなるように
タオルを2方向から入れる。
横隔膜に沿って細くしたタオルを入れた。
子供なので、タオルサイズを半分に切った。
肝臓右の表面にタオルを入れた。
肝臓左からタオルを右方向に力が加わるように入れた。
そのタオルを更に右方向に押すように、脾臓近くにタオルをいれた。
17時25分プリングルをはずした。
出血はない。
血圧は100.
腹部は、皮膚のみ縫合した。
早ければ明日、遅くてもあさって
2回目の手術をする。
皮膚をベースボール縫合ですばやく合わせた。
野球の硬球の赤い糸の刺繍のように。
皮膚が内側にめくれて縫えるので、
内側から外側へ染み出しが防げる。
術後看護師の手間が減る。
17時30分手術終了。
女児の顔色はピンク色だった。
体温低下はない。
(続く)


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