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2歳出血性ショック その10

2014年04月12日 18:46

肝臓の外側区(左半分)と胃袋の間に背骨がある。
背骨の真ん中より少し左に大動脈が足方向に流れる。
胃袋の頭側(小湾)付近に、腹腔動脈(肝臓に流れる血管)が大動脈から分かれる。
肝臓左部分(外側区)を少し頭側に肝臓用のヘラで押し上げる。
逆に胃袋を足側に押し下げる。
その間に背骨を先ほどより長く触れる。
右示指と中指の二本を背骨に進める。
背骨をしっかりと触れた。
そして患者の左側に滑らす。
背骨の2cm左に大動脈の弱い拍動を感じる。
その大動脈を背骨に押し付ける。
ぺちゃんこにする。
強く押す。
大動脈閉鎖だ。
これだけ。
鉗子不要。
難しいテクニック不要。
これだけで、下半身の血流を一時的に止める。
脳と心臓の血流を増やす。
腹部出血を止める。
「大動脈クランプ開始」私は宣言し時計を見た。
手術開始が17時13分。
大動脈クランプが17時15分。
右の2本の指は動かさない。
女児の生命線だ。
うまく行っている。
大動脈閉鎖まで2分だ。
「キャッチアップして」私は頭側チームに声をかけた。
劇的救命チームは、頭側、右、左、そして手術野に分かれていた。
全員が、この女児の命を救うために。
予測救命率は低い。
ショック、昏睡。
腹部頭部外傷。
僻地で受傷。
誰が考えても、分が悪い。
血圧は30.
アドレナリンがすでに注射されている。

これまでの、修練の結果を今日この患者のために、
発揮する。
必ず結果を出す。
救命できなければ、救急専門医のわれわれの存在価値はない。
言い過ぎかもしれないが。
高額なドクターヘリにを国費を使って運用している価値はない。
女児を必ず救うのだ。
濱舘香葉医師は、
「交差試験なしのO型輸血入れています。
レベルワンで加温しながら入れています。」
「収縮期血圧90まで待つよ。
腹部出血は大動脈閉鎖でコントロールできているよ。
循環持ち上げてちょうだい。
頭部外傷のためにも」私
全員の集中力は極値に達していた。
(続く)

追伸
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すごい!
市民には難しい医学用語をなるべく省略して表現しています。
本気の医師が我が国に多くいることを伝えます。
バラエティー番組に出演する医師とは質が違います。
救急隊には、処置と判断のスピードが伝わるように配慮しています。
研修医には、その処置の手順が勉強になります。
プロ救急医には、救命できる限界を教えます。
明日もご期待下さい。

年齢は少し変えています。
場所はふせています。
掲載期日はずらしています。
患者を特定できないように配慮しています。


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