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雪を踏み固める その4

2014年02月12日 18:09

「見えている」整備長
整備長は機体が雪面に近づくと再び視界が悪くなることを予想していた。
左側の視界が良好なことを機長に伝える。

「こっちも見えている」
機長は、足元にある、
ペダルの向こう張ってある透明なアクリルガラスを通して、
雪面を見ていた。

わずかに、視界が落ちると、機体はそれ以上高度を下げない。
慎重なスロットルさばきで、
EC135はゆっくり降りた。
視界は良好だ。

北国のドクターヘリ、
このような平らな雪原に降りるだけでも、南国とは違う。
機長と整備長のストレスは違う。

EC135はゆっくり降りる。
「見えているよ」整備長
「こっちも見えている」機長
踏み固められた雪の凹凸がちょうどいいコントラストで
距離感がつかみやすいのだそうだ。
真っ白い平らな雪原だと、ヘリコプターと地上の距離感がつかみにくい。
白い雪原に浮いているような錯覚になるという。

積雪15cm位なら、EC135は着陸できる。
雪の下が平らであることがわかっていればだ。

では、踏み固めてもらう理由は何か。
「視界確保。距離感を保つため」らしい。
雪原とヘリコプターの距離をしっかり認識するため。
だから、大雑把に不整に靴跡がついていればいいのだそうだ。
でこぼこがあるほうがいいのだそうだ。
バスククリンで、雪原に色を付けるのも、同じ目的。
白い雪原に、ダウンウオシュの白い地吹雪が重なると、
距離がつかめなくなる。
安全な操縦には、視界が必要だ。

平らな白い雪原に
でこぼこを作る。
でこぼこで光の陰ができる。
その陰が、重要。
足で踏み固めるほかに、
車の車輪で固めるのもいい。
こちらなら、早い。
正方形である必要はない。
平らに踏み固める必要はない。
大雑把でいい。
(続く)


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