熊に襲われた 最終

2013年12月04日 18:54

救急車はランデブーポイントで,まちかまえてくれていた。
ヘリコプタ―~降りて
前方に走る。
われわれが近づくと、
救急車から隊員が降りてきて、
後ろのハッチを開けてくれた。

男性は、思ったより顔色がよかった。
だが、鮮血がついている三角布が、
顔、四肢に巻かれていた。
脈拍が速い。
顔面骨折はない。
筋肉損傷、ひょとしたら四肢骨折、
皮膚欠損くらいか?
感染は要注意だ。
熊は、頭を狙ってくる。
頭か、顔のケガが多い。
今回も熊は頭に直撃している。

痛め止めを注射するために、血管確保した。
輸液は外出血に対してと、
これから起こるかも知れない
疼痛が原因の神経原生ショックに対して。

すばやく、処置して、ドクターヘリに収容した。
そして、エンジンスタートする直前、
機内から私は、
ダイレクトブルーに携帯電話をかけた。
「手術室で手術が必要です」

不安そうな男性は、われわれの対応と
いたみ止め注射で、
穏やかな顔になった。

EC135は秋田県境近くの山から
海のまち八戸に直線で飛んだ。

この山に、熊が住んでいる。
月の輪熊は、このEC135のエンジン音を聞いているだろうか。
高度450mからは
熊は見えなかった。
(熊に襲われた 完)






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