水難

2013年10月31日 18:56

朝のカンファランス中だった。
昨夜の当直吉村医師から受け継いだ、
ダイレクトブルーPHSが鳴り出した。
「八戸市○川地区、
水難」八戸消防からは短い情報だった。
私は、立ち上がり
「ドクターカー出動します」

学生見学は、
山形大学5年生
自治医大5年生、
琉球大学6年生、
弘前大学5年生が来ていた。
彼らの前を通ってカンファランス室出口へ向かった。
朝の救命カンファランス室は、救急医20名に加えて
研修医4名、
救急救命士実習3名、
そして医学生。
医師不足ではなく、
椅子不足。

長谷川3年目医師も立ち上がる。
「一緒におねがいします」
「いいよ、水難事故、
ヘルメットと、安全装備で行くよ」
「はい」
「自分もいっていいですか」
救急救命士の生涯研修の須藤救急救命士。
八戸潜水救助隊の資格を持つ。
現場の誘導と安全確保にはうってつけ。
「こちらこそ、おねがいします」
3名は、ラブフォーに乗り込む。

市内の道路はいつもどおり
朝の渋滞だった。
指揮車。が前に構えにいた。
「あれ?指揮車がレスキュー車を追い越した。なぜ?」
すぐに、助手席に座っていた須藤救急救命士が答える。
大型のレスキュウー車を安全に交差点を通過させるためです。」


太平洋に沿って走る国道を北上。
この道路は、先の大津波で完全に破壊された道路。
復旧され、右側には、高い防潮堤がそびえる。
真新しいコンクリートが圧迫してくる。
ドクターカーのサイレンを防潮堤にこだまさせながら、
ラブフォーは北上した。
(完)


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