重複要請に青森市ヘリ出動 その7

2013年09月20日 18:55

次は、循環の治療だ。
輸液を開始する。
「眼が見えない」はショックの症状。
血液が脳に、眼に届かない証拠だ。
血糖も測定する。
眼が見えないに低血糖が隠れていることがある。
1本500ml100円の生理食塩水を急速に点滴する。
酸素は、救急隊が100%で投与中だ。
血圧を測定する。
まだ、90以下。
意識判定する。
ショックで意識が悪くなるはず。
男性は、手を握ってくれた。
つまり、意識は保たれている。
「さあ、ヘリコプターに収容しよう」
私は号令した。
・・・・
この瞬間、20km西で重症交通事故が起きていることを
われわれは知らなかった。
・ ・・・・
男性は、ドクターヘリに収容された。
そして、離陸。
6分後、EC135は八戸に到着。
ERへ向かう男性の顔色は普通に戻った。
「県病ヘリが三戸へ向かって離陸します」機長
「えっ?」私
「事故で出動、重複要請です」機長
私は八戸ヘリポートから、携帯無線器でCSに問いかけた。
「交通事故女性1名。意識なし。青森県病ヘリが離陸し三戸ヘ向かっています」
「わかりました」私
・ ・・・・
私は、CS室に入った。
八戸CSと青森県病CSの間には、
インターネットのスカイプによる、テレビ電話がつながっていた。
パソコンの画面に、県病CSが写っていた。
画面のCSがせわしなく動く。
無線が入ったようだ。
無線の声もスカイプで聞こえる。
県病ヘリは、給油が必要だった。
だから、患者は必ず八戸に来る。
三戸から直接青森市に帰ることはない。
岩手県北から六ヶ所村でドクターヘリに給油できるのは、八戸だけ。

県病ヘリから無線が八戸CSに入った。
「意識GCS3.ショック、呼吸停止。補助呼吸中。腹腔内出血なし。
バックボード固定。輸液急速投与中」
声は小笠原医師だ。
「バイタルサインを送ってください」私
「血圧は・・・・・・・」
私は、患者情報を書いたメモ用紙を持ってERに出た。
「ショック、意識障害、FAST陰性。」
すでに、劇的救命チームは
急速加温輸血装置と、緊急開腹開手術セットが用意されていた。
その中心には吉村医師がいた。
「気管ソウカンされていますか?」吉村医師
「いや、しかし、nonresponderなのでおそらくヘリ内でソウカンするはず」
重症出血性ショックは
「入れて、入れて、止める」
輸血を入れて、気管ソウカンを入れて、止血処置。
(続く)


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