重複要請に青森市ヘリ出動 その6

2013年09月19日 18:54

「南郷で、ハチに刺されショック状態男性1名」
3人は、EC135で離陸した。
南郷救急隊から患者情報が無線で入った。
「すずめ蜂に20分前に刺された。
血圧78.脈拍130.眼が次第に見えなくなってきた。
冷や汗あり」
「患者のおおよその体重を教えて下さい」私
アナフィラキシーショックに対してアドレナリン筋肉注射を行う。
通常1回0.3mg。
体格と年齢で調整する。
患者接触から筋肉注射まではなるべく早くする。
だから、前もって注射器につめておく量を知りたい。

EC135は着陸態勢に入った。
夏に開催される屋外ジャスフェスティバルのために作られた屋外劇場が見えた。
その近くの駐車場がランデブーポイント。
南郷の文字が屋根に書かれている救急車が見えた。

EC135は振動もなく着陸した。
メインローターはまだ回っている。
左ドアから私、明石、高谷の順で降りる。
腰を低くして真横に出る。
後に続く二人を待て、救急車に向かった。
私は、左ドアから、
二人は後ろのハッチドアから救急車内に入った。
冷や汗どっぷり。
眼を閉じている。
トウコツ動脈は弱い。
心電図モニターの心拍数は130.
顔が赤い。
アナフィラキシーショックだ。
予想通りだ。
アドレナリ0.3mg筋肉注射をする。
右太ももにする。
アドレナリンはアナフィラキシーの特効薬だ。
軽症でも使える。
一番に行うのは、輸液ではない。
ステロイドでもない。
アドレナリン筋肉注射だ。
この事実を、国内に紹介したとき、大反響だった。
今から9年前。
太ももに筋肉注射するのは、
太ももが血流の多い筋肉だから。
早く薬が効く。
静脈注射すると、時に頻脈、更に心室細動になる。
これを避けるために、筋肉注射をする。
次に、呼吸音を聞いた。
声を聞く。
アナフィラキシーの死因のトップは、気道閉塞。
前兆は声がかすれる。
声が小さくなる。
大丈夫だった。
(続く)


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