スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ダンシングハート その5

2013年06月05日 18:08

吉岡医師は超音波装置を胸に当てた。
「うっつ、心嚢液あり、心臓が液体の中でうごめいている」
心タンポナーデだ。
袋の中で心臓がうごめくことを
DANCING HEARTと言う。
これは米国人のセンス。

DANCING HEARTを見つけた吉岡医師は
直ぐに、次の処置に取り掛かる。
それは心嚢穿刺だ。
太い針をミゾオチに刺す。
心臓方向に進める。
心嚢にたまった血液を吸引する。

針を準備し、心電図もモニターをもう一度見る。
そして、窓の外を見る。
見慣れた景色が飛び込む。
携帯電話でダイレクトブルーをコールした。
「ドクターカー吉岡です。心タンポナーデ、穿刺準備して」
「はい」
丸橋医師の声だ。

時間切れを悟った吉岡医師は
救急車内の処置を中止した。
代わって、
速やかに救急車から患者を降ろすために、
周りの管を整理する。

救急隊長は心タンポナーが致死的なことは承知。
ドクターカー要請が正解だったこと、
そのおかげで、救急車内心停止を免れたことにほっとした。

気のせいかいつもより高いサイレンで救急車は信号を右折し、
急にサイレンを止めた。

迎え撃つは、
劇的救命チームが控える八戸ER
(続く)


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://doctorheli.blog97.fc2.com/tb.php/1367-73b27667
    この記事へのトラックバック



    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。