心臓破裂吉岡出動 最終

2013年05月07日 18:27

指が全部、剣状突起の下に隠れるくらい入れて、
腹膜、周囲脂肪組織、横隔膜を剥離する。
頭側、背中側に固い張りを触る。
その張りは、表面が平滑で、緩やかなお盆のように出っ張る。
それが、横隔膜と心嚢が1枚にくっついている場所。
正常時はやわらかいが、心タンポナーデでショックになると、
心臓から出た血液が、心嚢内にたまり、硬くなる。
この硬い膜を2本のコッヘルカンシでつかむ。
右示指から左示指に変えて。
2本のコッヘルカンシでつまんだ膜を、剣状突起の背中側から、尾側に引き出す。
引き出すといっても、数センチしか、動かない。
2本のコッヘルカンシを左手で持ち、右手にハサミを持つ。
2本のコッヘルカンシの間の膜の方向に、ハサミの先を進める。
ハサミの先は僅かに開いておく。
2本のコッヘルカンシの間の固い膜にハサミの先が当たるが、感触でわかる。
開いたハサミの先を更に開いて、
ハサミの先の2枚の刃で、硬い膜を触る。
そして、ハサミを閉じる。

パチンと音がして、膜が切れた。
心嚢の中にたまった血液がたまりかねて外に出る。
内圧が高くなっているので最初は勢いよく出る。
術野はあっというまに、血液でいっぱいになり、奥がみえなくなる。
パチンと音を立てて膜が切ったハサミは、抜かない。
抜かないで、そのまま、刃閉じて、1秒前にあけた孔に進める。
孔に進めた閉じたハサミの先は、心臓まで届いていない。
だから安全。
閉じたハサミの先を開きながら抜いてくる。
これで、孔が大きくなり、さらに、血液が出てくる。
右示指を剣状突起の背中側にすすめ、あけた膜の孔に通す。
これで、時に、拍動する心臓を触れる。
用意しておいた、28Fチューブを孔にいれる。
チューブの先は、ドレナージバッグにつなげる。

トウコツ動脈が触れるようになった。

危機的状況から抜け出た。
あとは、胸部レントゲンを撮影、
他の出血性ショックを見つけるために、
骨盤レントゲンを撮影した。

それから、手術室へ移動した。
・ ・・・・・
男性の手術はうまくいった。
肺挫傷のため人工呼吸治療は1週間要した。
・ ・・・
8日目、開眼、発語ある。

劇的救命 
(心臓破裂吉岡出動 完)

劇的救命konn(615x640)
写真提供日経メディカル&クラシコ
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/blog/cadetto/201211/527476.html


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