Wの軌跡、Wの悲劇 最終

2013年03月23日 18:39

ユーターンして1分も経たない頃、
青森県病ドクターヘリ機長から
八戸CSに電話が入った。
「青森県病ヘリはいま、五所川原に駐機している。
医師は、救急車で患者を直近の病院へ陸送している。
いま、同時に起きている五所川原の救急事案に青森県病ヘリは対応できない。
フライトドクターが不在だ。
八戸ヘリは、再び五所川原に向かってほしい。
消防と話合ってほしい」

八戸CS吹谷は、五所川原消防に電話をした。
消防と、八戸CS,機長は無線と電話で話し合う。

再び、八戸ドクターヘリは、五所川原のランデブーポイントに向かうことになった。
いったん戻ったが、
また、五所川原に向かう。
長谷川研修の窓から見えていた八甲田山は、
今度は、前方に移動した。
空は青いが、山は白く積雪5m。

今度こそは、八甲田山を超える。
尾根線を超えるときに、機体が揺れる。
日本海から八甲田山を越え、太平洋に吹き抜ける風の通り道をヘリコプターが逆走してる。

前方に陸奥湾が見えた。
陸奥湾の南は青森市の町。
その西側に五所川原市がある。

陸送中の青森県病ヘリのフライトドクターにこのことが伝わる。
フライトドクターは、急いで陸送を終えることにした。
そして、113Dが駐機しているランデブーポイントへ向かう。
八戸ヘリが着陸する予定時刻とほぼ同時に、
戻れそうだった。
青森市ヘリは、もう一つの五所川原事案に対応できそうだった。

つがる消防から八戸ヘリ112Dに無線が飛ぶ。
「八戸ヘリにお願いした事案、
青森ヘリで対応する。
八戸ヘリには、
往ったり来たりで申し訳なかった。」
「八戸ドクターヘリ1は、これより帰還します。
お疲れ様でした」
後部席に乗っていた原医師は不満顔だった。

八戸に戻ってから、原医師
「大変でした、行ったり来たり」原医師は指でジグザグを示した。
「いいじゃないか、患者が安全に処置搬送できて」私
その間、八戸ヘリに新たな要請はなかった。


行って戻って、
また行って、
また戻る。
往ったり来たり。
飛行距離と時間をグラフにすれば、
地上からドクターヘリを見上げればWの形になる。

現場は皆は一所懸命。

Wの軌跡、Wの悲劇 完




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