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Wの軌跡、Wの悲劇 その3

2013年03月22日 18:37

八戸112Dは、
十和田市を超えたところだった。

八戸CSから無線が響いた。
「五所川原消防から連絡あり、
ミッションキャンセル」
機長はそれを受けて、
左に大きく機体を傾けた。
左ターンをして、機首を南に向けた。
「帰りますよ」。

EC135は目の前の白い八甲田超えをせずに、
再び南下した。
機長はほっとした。
天候がいいとはいえ、
冬の八甲田山を超えることは、
緊張した操縦を強いられる。

長谷川研修医側の窓からは先ほどまで見えていた太平洋とは変わって
白い八甲田山が見えてきた。

八戸EC135内では、キャンセル理由に気も留めなかった。
時々起きているドクターヘリキャンセルは、
119通報でドクターヘリと救急車を同時出動させれば、
ある程度の確率で起こることだから。
これをオーバートリアージの容認と言う。
一見軽症に見える患者から重症化することに対応するために、
現場で急激に悪化する傷病者を救うために、
119通報内容でドクターヘリが出動するシステムがいま普及してきている。
当然、要請の精度は落ちる。

EC135の後部室内では、
長谷川研修医が、絶景の青森県に感動している。
眼下の白い雪面がキラキラと光る。
八甲田山の山並みが美しい。
(続く)


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