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海の町八戸 その13

2013年02月09日 19:01

最新の患者情報が救急車から上空300mのEC135に入って来た。
それを聞いてから機長は
「着陸します」
15時51分サーモンパークに着陸。
DSCF9513 (800x450)

しかし、救急車はまだ来ない。
メインローターが完全に止まってからわれわれは外に出た。
3分後、救急車が入って来た。

15時54分3人は、救急車に乗り込んだ。
患者の全身は血まみれだ。
耳を血液の塊が塞いでいた。
両手の指は、どれも唐辛子の色をしていた。
黒いズボンには、ペイズリー柄のように、
血痕が飛び散り固まっていた。
頭に巻いた白い布に鮮紅色の血液がにじむ。
その模様は秒単位で拡大する。
女性の目はうつろだった。
女性の声は弱かった。
脈は遅い。弱い。
手首を触ると、冷や汗を感じた。

出血性ショックなら脈は速くなる。
しかし、強い痛みや、恐怖感で、
迷走神経反射が起こると、
脈拍は遅くなる。

私は、女性の顔に口元を近づけて
優しく声をかけた。
「救命救急センター医師の今です。
もう大丈夫ですよ。
ここで、直ぐに治しますから」
恐怖におびえた顔の女性はわずかにうなずいた。
(続く)
・・・・・・

ブログ「海の町八戸」は明日が最終回です。


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