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海の町八戸 その6

2013年02月02日 18:48

8時20分離陸
現場時間15分が何時も目標だ。

今日は、血管確保に手間取り鎖骨上穿刺までしてようやく成功したが、
時間は目標内、ちょうど15分。
着陸から離陸まで15分。
これが救急ヘリ。
現場で多くの処置をして時間がかかりすぎるのではなく、
多くの処置をして、時間を節約する。
きっちりと、処置を決めて、短時間。
これが、患者にとって最高なはず。

男性の体は冷たかった。
偶発性低体温症による心臓停止なら救命できる。
溺水なら、肺水腫になっているはず。
肺水腫でひどい状態なら救命不能。
脳蘇生には、低酸素は大敵。
救命のチャンスがあるなら、ERでPCPSを使う。

私は、ヘリコプターに乗せられた男性をもう一度観察した。
高度400m。
「体温測定してください」ナースに伝える。

「測定不能です」ナース、「着陸まで後3分」整備長
二つの声が室内通話で重なった。
私は、決心した。
「八戸ドクターヘリ1より、八戸市民病院どうぞ、
CPR実施中。
心静止。
通常のER対応でおねがいします」
PCPS導入は男性の適応ではないと判断した。

8時26分八戸市立市民病院救命救急センター着陸。
八戸ERでは、当直明けの疲労を微塵も見せない、
優しい顔の濱館医師が出迎えてくれた。

数時間後、
優しい家族に手を握られて男性は温かいERのベッドで昇天した。
(続く)


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