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海の町八戸 その5

2013年02月01日 18:46

内頸静脈にも針が当たらない。
私は時計を見た。
すでに、患者接触7分。
「あと、一回穿刺失敗したら、
静脈確保なしでヘリに入れるよ。
隊長、ヘリ収容準備して」
私は自分を追い込んで、血管確保の真剣勝負に出た。
何時も真剣だが、この緊迫した場面ではより真剣。
ただし、研修医は、もっと困難な気管ソウカンを
一発で決めていた。

私は、得意の鎖骨上穿刺を開始した。
これが4回目。
合併症は気胸と動脈穿刺。
だけど、得意。
「よし、」小さな気合を入れたつもりだが、
騒音のある車内で気づくものはいない。
穿刺場所の選択は、
失敗した時の合併症が少ない順位で行う。
鳩山研修医は、一言も言わずに、
わたしの指先を見つめていた。

成功だ。
うまく血管確保が出来た。
そしてアドレナリ注射。
「隊長!ヘリ収容お願いします」
大勢の消防隊救急隊レスキュー隊消防団の助けを借りて、
男性をドクターヘリに収容した。
私は、鳩山研修医に比較的難しい鎖骨上穿刺を見せることができた。
(続く)


コメント

  1. フライトナースのはしくれ | URL | mQop/nM.

    質問

    いつも当ブログを読ませていただき、勉強させていただいています。
    今回のシリーズの中で疑問がありましたので質問させてください。
    AHA ACLSガイドラインでは末梢静脈路確保ができない場合のセカンドチョイスとしては骨髄路となっていると思います?八戸ドクターヘリでは骨髄針をドクターズバッグに搭載していないのでしょうか?それとも搭載していてもあえて使用していないのでしょうか?
    豊富な経験から大腿静脈、内頚静脈、鎖骨下静脈穿刺を選択されているのであれば、その理由を教えていただければと思います。
    よろしくお願いします。

  2. コン | URL | -

    骨髄内輸液

    ご意見ありがとうございます。
    骨髄内針は搭載しています。
    小児の骨髄内針は、容易に下肢の骨に突き刺すことが出来、点滴や薬を注入することが出来ます。しかし、成人では、骨が硬く、何時も穿刺に成功するとは限りません。
    最近では、ドリル式の骨髄内針の穿刺用具が輸入され、その手技の簡単さに、多くの医師看護師は驚いたはずです。しかし、その針の値段は、とても高く、一本使うごとに、病院の持ち出し(市民の税金)が高額となります。
    私は、1997年から、救急外傷の講習会で骨髄内針の穿刺を国内に広めてまいりました。
    当時は、専用の骨髄内針がなく、硬膜外針で代用したものです。
    先述のドリル式の骨髄内針は、ドクターカーに搭載しています。ドクターヘリには手動式を搭載しています。
    マンパワーのあるドクターヘリ(医師2、看護師1)では、中心静脈や、大腿に留置針を入れる余裕があります。
    ドクターカーには、医師1名のみで出動するため、高額ですが手間がかからないドリル式の骨髄内針を載せています。
    「命を救い、お金の節約もする」この両立を、目指します。

  3. フライトナースのはしくれ | URL | mQop/nM.

    骨髄針

    ご返答ありがとうございました。
    その時の状況に合わせてよりベターな選択をしていく。
    そこにはコスト管理も含まれているのですね。
    ありがとうございました。今後もブログを楽しみにしております。

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