スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

二人の腎破裂その3

2013年01月14日 18:36

輸血が400ml急送に入ると、血圧は戻った。
それから、手術を進める。
出血性ショックの手術手順。
1一次止血と完全な止血
2損傷部の確認
3腸管汚染の対策
4腸管吻合

一次止血は終わった。
損傷部の確認をする。

右腎静脈がちぎれていた。
腎動脈は、内膜が切れているようだ。
動脈の外側の色が黒い。

右腎臓を摘出する必要がある。
右腎臓を摘出するときに、必ずすること。
それは、反対側の腎臓を確かめる。
反対側の腎臓が確かに働いていることを確かめる。
私は術中に左腎臓をさわってみる。
左腎臓は正常だった。
怪我はない。
右腎臓はすでにサテンスキー大血管カンシで、
尿管を閉鎖している。
つまり、右腎臓から膀胱への道は閉ざされている。
この時点で、尿が出ていれば、
それは左の腎臓からだ。
私は、吉村医師に尋ねた。
「どう、尿は出ている?」
「はい、先ほどから血尿は止まりました。
黄色い尿が出ています」
キャッチアップに成功した吉村医師は先ほどとは違う顔つき。
「よい、左腎臓は問題ない。
損傷した右腎臓を摘出する」
私は、みんなに宣言した。
それから5分で
右腎臓を摘出した。

腎臓を摘出した後から、細かい出血が周りから沸いてきた。
出血傾向が出ていた。

意識障害は脳損傷の可能性も残る。
徹底的な止血手術をして、時間と更なる出血を招くのは
脳損傷があると良くない。
簡単な止血処置で終わり、
明日、2回目の手術をおこなう。
多発外傷の鉄則。
(続く)


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://doctorheli.blog97.fc2.com/tb.php/1243-961b4e67
    この記事へのトラックバック



    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。