換気不能ソウカン不能 その2

2013年01月04日 18:27

男性は、危機的状況であることを必死に周りに訴えようとするが、声が出させない。
手足は元気に動く。
息が苦しさを感じる。
息が十分量肺に入ってこない。

酸素マスクは10L酸素で100%投与しているが、
男性の酸素状況を示す酸素飽和度は低くなった。
主治医は胸部レントゲン撮影した。
気胸だろうか?
肺の怪我はない。
さらに首が腫れた。
窒息寸前だ。
気管ソウカンすべきか否か、
主治医は迷う。

ソウカンするか否かに関わらず、
男性は重症だった。
三次救急施設へ転送が必要だ。
気道が窒息寸前を気道緊急と言う。

気道緊急でドクターヘリ要請となった。
主治医は病院で、気管ソウカンを試みようとした。
気管ソウカンは通常仰向けで行う。
男性は横になることを拒んだ。
横になった瞬間に呼吸が出来なくなると思った。
それは死を意味する。
呼吸困難の先に待ち構える死を意識する男性。
意識はいい。
しかし呼吸の苦しさを感じた。

主治医は口の中を見た。
舌が巨大に赤く膨れ上がり、
通常の手技では、気管に管を入れることが出来ないと思った。

13時25分ドクターヘリ出動要請は速やかに、八戸CSに届いた。
ただし、機長は出動前に、天気図をもう一度見た。
風が強いな。
運が悪い。
雲に加えて、風までが強くなっている。
ニュースによると、
下北半島に向かうJR大湊線が強風のため運休している。
それくらい風が強い。
だが、飛行ルートはどうか?
機長は、慎重に情報をあつめる。
出動の判断を下した。
夕方には、八戸地域も暴風になるかもしれない。
だが、今はまだ大丈夫。
(続く)


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