救急隊長お手柄外傷

2012年12月31日 18:55

十和田市消防からドクターヘリ要請。
自転車女性が車に跳ねられた。
8m飛ばされた。
受傷機転からドクターヘリ要請。

ショックでも、意識障害でも、呼吸不全でもない、
受傷機転が、高エネルギー事故
それだけでドクターヘリ要請だ。

私と、研修医は、この日2度目の出動だった。
1回目は、七戸町からで、途中キャンセル。
2回目は、この十和田市からだった。

離陸したEC135は、快晴の八戸を越えて十和田市に入るまで
わずか10分だった。

十消救急1から無線が入った。
「女性は、低酸素状態。
酸素投与でも、酸素飽和度が上がらない。」
ヘリコプター内では、肺挫傷かな、気胸かな、などと思案した。

EC135は十和田市運動公園に着陸した。
救急車は、それに呼応するように、
運動公園のアスファルト道路近づいてきた。
ランデブーポイント先着はドクターヘリ。
30秒後に十消救急1。

あらかじめ、広い運動場の中の道路近くに着陸したので、
救急車までは、小走りで直ぐだった。

女性の呼吸は速かった。
胸の上がりが左で弱い。
しかし、胸を押しても痛がらない。
酸素投与10Lで酸素飽和度は良かった。
循環はOK, 超音波検査はOK.
骨盤の診察は救急隊長が現場で行っていた。
「圧痛はない」
意識は、時、場所を間違えた。

隊長は、デジカメで撮った、相手の車の写真を見せてくれた。
大きくへこんでいた。

8m飛ばされている。

これで軽症なわけがない。
いまは、良くても、これから悪化することがある。

救命救急センターに向けて離陸した。

八戸ERでは、外傷診療が始まった。
右の胸が吸気にへこむ。
あばら骨が変形していた。
低酸素症は、フレイルチェストに合併した肺挫傷だ。
CT撮影に移る。
頭から、恥骨までのCT撮影だ。

なんと、脳挫傷、肺挫傷+多発肋骨骨折(フレイルチェスト)、骨盤骨折、
CTから戻ると、血圧が急激に低下した。

輸血開始、気管ソウカン、人工呼吸、骨盤止血(TAE&骨盤創外固定)を行う。

女性は、様々な処置を受けて、救命救急センターに入院した。

救急隊長お手柄、トラウマバイパス
・・・・・・・・

2012年後数時間で終わり。

今年はたくさんのいいことがあった。
八戸市立市民病院が全国自治体病院(県立、市立病院)の優秀病院ランキング(DPC)で、
トップ5に入ったこと。
全国にドクターヘリが40機になったこと。
八戸ドクターヘリが実現したこと。
救急専門医試験に5名合格したこと。
救命救急センターの一月の収益が過去最高の2.2億円を記録できたこと。
ドクターカー出動が年間千件と地域の救急の仕組みに完全に組み込まれたこと。
デーリー東北賞をもらったこと。
たくさんの劇的救命を成し遂げたこと。

新しい年もよろしくおねがいします。

八戸劇的救命チームは、
元日の日の出時刻に、7階デイルーム集合です。


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