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朝出動の腹部刺創 最終

2012年11月01日 19:23

夏のお祭りの時期は
献血者が減る。
特にB型血液が不足する。

私は、早周りして、
手術室で待機した。
体温は35度に下がっている。
体温低下はアシドーシスを招く。
止血が出来なくなる。
室温を上げる。
そう目標はバリ島の気温。
手術中の、高気温は術者にとって不快だ。
だけど、ショックの患者を救うには必要。
不快な室温だけど、バリ島と思えば、気持はすこしいい。

室温上昇に加えて、
ベッドには加温装置が付けられた。

パソコンではじかれた予測救命率は83.5%。
必ず助かるはず。
確信して
わたしば、手術衣ガウンを着始めた。

男性が手術室に入って来た。
軽米医師がまん中にいる。

「よし、後は、任せて。
さーと、消毒しよう。
それから、内臓をクランプだ。」
わたしは、茶色いイソジンを頚部から胸部、腹部、大腿まで塗った。
腹部の傷から飛び出していた腸と腸管膜の切れ端を、大きく持ち上げた。
出血の大元は、腸管膜だろう。
だろうというのは、術前にCTを撮影していないので、
出血源はわからない。

わたしは、その塊の根元に、大きな20cmの腸カンシを一気にかけた。
ラチェットという、カンシの挟む強度を調節する部分を
最強度まで上げた。
この操作で止血は一次的に出来た。

後は、開腹手術だ。

まもなく、野田頭部長と、吉岡隆文医師が青いガウン姿で部屋に現れた。
そして、手術が開始された。

結果はもちろん救命。

予測救命率の高い患者を救うこと。
あたりまえのことだ。


朝出動の腹部刺創 完



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