子供の脳死判定 第1話 その5

2012年06月21日 18:43

JPTECインストトラクターの寺牛隊長は驚いた。
「衆人監視の中で救急医師が現場で先着隊、処置中。
山本救命士だけでは、市民の排除は無理」
ここから現場の指揮は、寺牛隊長が取る。
「先に車内収容します。それからソウカンをお願いします。
隊員は、毛布で市民から子供を見えないように目隠しして。」

寺牛隊長の初期評価は早かった。
そして、ログロールも早い。
バックボードに患児を固定し、救急車内に入れる。
小さな子供の両脇には毛布を入れて、ずれないようにする。

車内で、心電図モニターをつけた。
もちろん心臓は動いている。
酸素も12Lでバッグバルブマスクに最高流量で投与した。
「うまく行っている」寺牛隊長
酸素化は、頭部外傷に必ず必要。

河野医師はもう一度、気管ソウカンを試みた。
5mm直径チューブ。
鎮静剤も効いている。
口は開いた。
ギャラリーの圧力から開放されたせいか、今度はうまくいった。
チューブの位置確認は慎重にする。
子供は安全域が狭い。
15cm固定。
5mmチューブなら、×3=15cm
人工呼吸を開始した。
呼吸は停止している。
呼吸が遅くなると、二酸化炭素が貯まる。
二酸化炭素が貯まると、脳が腫れる。
脳が腫れると、脳の血流が落ちて、脳がダメになる。
だから、バッグバルブマスクという、ゴム袋で人工呼吸する。
頚動脈脈拍はまだ触れている。
循環はなんとか保っていた。
だが目は開かない。
(続く)


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