子供の脳死判定 第1話 その3

2012年06月19日 18:41

曲がっていた首をゆっくりと正面に戻す。
頸椎が正中となった。

初期評価をする
舌根沈下で気道閉塞。
意識ない。痛み刺激で全く動かない。
トウコツ動脈の拍動は触れない。
頚動脈の脈拍は弱く早い。
冷や汗あり。
呼吸はほとんどない。止まりそうだ。
一分間に8回以下。浅い。
下顎挙上してみた。
しかし、大きな呼吸は出ない。
頭は大きく変形。
口の中に出血もある。
「やばい、死ぬかもしれない」吉岡医師の声
こんな場合は気道が最優先だ。

河野医師は銀色の子供用の喉頭鏡を用意した。
ドクターカーには、救急バッグ、小児バッグ、外傷バッグが入っている。
吉岡医師は、5mmチューブを救急バッグから出して、
中に心棒(スタイレット)を入れる。
右親指と右人差し指を子供の口に入れようとした。
でも、口が開かない。
子供は歯を食いしばっている。
両膝をアスファルトにつけて、
もう一度河野医師が口をこじ開ける。
吉岡医師は、首が曲がって、頚髄神経に悪影響が出ないように、
首と頭をしっかり一直線に手で固定した。
口が開かないと、気道のチューブは入れることができない。
鎮静剤が必要だ。
だが、橈骨脈拍が、触れないほど、血圧が下がっている。
鎮静剤は副作用で血圧低下。
頭部外傷に最も悪いのは、血圧低下と低酸素。
酸素は投与済み。
血圧が心配。
(続く)


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